山麓日記帳

全ては消えゆく、雨の中の涙のように

細田守がオソロシイ

ここ数日、ネット上で「おおかみこどもの雨と雪」のレビューをよく見かけますね。
まさに、賛否両論。
「トトロの後継者!」「素晴らしい母性!」と褒めちぎる人もいれば、真反対の意見の人もいる。
いろんな感想がネット上で読めてビバネット社会。

この映画の監督、細田守
実はワシにトンデモナイトラウマを残した人でして。
その原因になった映画のレビューをココに書き残しておきますね↓

時をかける少女(2006/日)
IQが異様に低い『ドニー・ダーコ
ボイス母


**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。








せめて、ワクワクドキドキ、キュンキュン切ない気分になろうと思ってみたのに、そんな気分がみじんもナイ映画だった。

というか、なんでチアキが好きになったの?どーしてケイスケじゃだめだったの??ってか、そんなに何回もやり直してて面白いか?

ワシなんか、ぜーーーったい過去になんか戻りたくない。いつも「今が一番良い」から。高校時代のありもしない記憶=「ドリカム三角関係」に憧れるチョいノスタルジックでセンチメンタルな気分♪が、さっぱり理解出来ないのだ。

人が人を好きになるのが全然描けていない、ダメ男が作ったダメ映画の極地。記号だらけのキャラクター。チョい悪だけど髪が赤くて男前。オッパイが大きいのに頭の中身は小学校低学年男児並み。野球ごっこなんかに夢中になるバカ女。ボランティア部に在籍する心優しい医者の息子。

___なんでチョイ悪同級生&頭の弱い女子と野球ごっこなんかやってんのよ。普通に健康で心優しい優秀な生徒はこんな野球ごっこなんか熱心にやりません。

(評価:★2)


ワシは小学生の時、原作の「時をかける少女」が大好きで。
NHKでドラマ化された時も嬉しくて走って家まで帰るような少女だったので、まあ、その後原田知世ちゃんとか。このNHK少年ドラマシリーズとかで原作レイプされても、平気でしたとも(´д⊂)
だって、どんなにヒドイ役者が演じても、一応、原作へのリスペクトはされていたんですもの…

ところがこの細田監督による、アニメ化された「時をかける少女」は…
なんで世間の評価がこんなにも高いのかワシは全然理解できず。
「素晴らしい青春物語!」とか絶賛する声が世間では多くて。熱く語る人も多かったですねー。
現実感のみじんもないいわゆる「記号」としても妄想みたいな変な青春の戯画みたいな表現なのに…。
ワシ的には「こんな青春は世界中探しても監督の脳内にしか無いお花畑」と思ってたので驚愕しました。

「こ、こんなオナニーショー満開の映画がいいの!?」と非常に驚愕しましたね。

ワシが映画を見たいのは…
監督の人生に対する洞察とか、視線を見せてもらいたいと思っているので。
なんか、この「脳内俺様主義」をダダ漏れで見せつけられるのって、正直な話、ものすごい苦痛なんですけど…
それは君の妄想ということでまた次の機会に!」と社交辞令を大声で告げてご遠慮申し上げたいタイプなんですけどね。

…ソレをついうかうかと見てしまった。
そして「新作映画を見るのが怖い病」になってしまって、3年ほど、新しい映画を見ることができなくなってしまいました。
だって、どう考えても、監督の個人的な脳内のキモチイイコト(=ワシにはキモチガワルイコト)がだだだーーと羅列されてて、その人の性的な趣向を「コレデモカコレデモカ」と見せつけられるのは…
正直、「視線と脳へのレイプに等しい」と感じます。
それを歓迎する社会が求める新作映画って…怖くないですか?

やっと、最近立ち直ってきたところなのですが。
このタイミングで細田監督の賛否両論の新作が出てきた…ってw
監督の妄想をお好きな人がやっぱり多いんだなあって、不思議な気持ちがしました。
そんな人ってどんな恋愛をするんだろう?どんなきっかけで自分以外の人を自分より大切に思ったりするんだろう?
自分の身も心を捧げたくなるきっかけってどんな事でなんだろう??
と、またしても「世間の人が怖い病(だってそれの想像がつかないんですもの!ワシには計り知れない世界です)」が出てきそうですw

でもま。トトロのお母さんを「理想の母さん」とかいう意見がまかり通る(ワシには心を病んだ人にしか見えない)世の中ですから。
「子育てをしたことがない人が支持する理想の子育て」という奇っ怪なものがまかり通るのだなあと、国会中継の小宮山大臣のプルプル答弁を見ながら考えたことでしたよ。

同じようなタイム・リープSF映画を見るならば。
ドニー・ダーコ」がおすすめですわ。
自己犠牲と愛の物語です。