山麓日記帳

全ては消えゆく、雨の中の涙のように

「ドラゴン・タトゥーの女」を見る

と、いう訳で見てきました>デビッド・フィンチャー監督作品の「ドラゴン・タトゥーの女
まー、全体の感想から言うと。

スウェーデン版の方が断然、貫禄があるデ

細部が微妙に違っているのは勿論の事。
同じシーンでの演出が、困ったことにスウェーデン版に高々と軍配が上がっちゃうんですなコレが(^^;
大作の面影&貫禄が十分!という風情で。
スマートにしてクレバー。
しかも映画的な興奮と情熱を持ちながら、静かに見せてくれるという演出が素晴らしいわー>スウェーデン

やっぱりデビッド・フィンチャー監督はアメリカの人だから。
大味っつーか。
直接的っつーか。
「え?それでいいのこのシーン??」みたいなツッコミがごにょごにょごにょ。

あと、脚本のせいか?
意味がよくわからないシーンがあって。
ソレよりも大事と思われるシーンがカットされていたり。
「あれ?フィンチャー監督の中でのこの物語の比重はソッチの方が大事だったんだ…」(´・ω・`)
と残念な感慨に囚われること数回w

しかしまあ、振り返ってみれば。
ワシの人生、「映画に開眼したの」ってベルイマンだったわけですから…

「おお、そうだった。スウェーデンにはベルイマンといい亡命後のタルコフスキーといい。
映画の名匠、巨匠の産出国だったわね!!
とか思い出しても後の祭り()

しかもワシはタルコフスキーベルイマンも大好物(ワシのベストフェイバリット映画上位にこの十数年間、堂々と上位に居座り続ける「ファニーとアレクサンデル」)
ラッセ・ハルストレムも「ペレ」も「ロッタちゃん」シリーズも「長靴下のピッピ」ですら大好きだったわw

かように、今更自分がスウェーデン映画の大ファンだった事を思い出してみれば。
フィンチャー監督に物申したい気持ちはどーしよーも無い」って事ですよ。思い出すの遅すぎ(ーー;

以下、ネタバレになるので見たくない人は読まないでねプリーズ

・なんで整形外科医のサイトを見ているのをチェックするシーンがなかったのか?セリフだけで済ませるってオマイはNHKの朝の連ドラ(しかも出来が悪い方)かい?
・字幕がちょっと変だった。「友の敵は敵」だったっけ?
原語では「友の敵はまた自分の敵でもある」みたいに言ってたので、瞬間的に意味不明な印象。
・リスベットが「男嫌い」の理由が今ひとつ。理不尽な暴力に晒されて生きるヒロインの表現にもうヒト工夫欲しい。
スウェーデン版では丁寧に見せてくれたリスベットの「コレは何?この感情は??」みたいな戸惑いの入り混じったミカエルへの気持ちの変遷がいじらしくて涙が出たのに。フィンチャー監督版では唐突すぎて戸惑ってしまう。
・「あはは、そういう事!?」と笑って迎えられるエンディングが良かったなー。フィンチャー監督のこのオワリ方では盛大な「尻すぼみ感」が漂う。

ということで。
【今日の結論】映画の続編を作るのなら、是非とも監督は、ニールス・アルデン・オプレヴ監督でお願いします!!

きっと彼ならかなわなかった「ミレニアム2」「ミレニアム3」も見事に映画化してくれると思うわ−(期待満々)
それと原作未読の皆さんは是非ともスウェーデン版から先に見ることをおすすめ!
恐怖感もなんとなく幸せな気分に浸れる感も物語の分かりやすさもこちらのほうが上です。