山麓日記帳

全ては消えゆく、雨の中の涙のように

遺族が食いつぶすモノ

週末、次女子の服を買いにユニクロに行きましたら、ニャロメの紙袋に入れてくれました。
ド派手で可愛いバッグでモダンアートっぽい。
思わず「あ、ニャロメ」と言いましたら、お店のお兄さんが、
「代えましょうか?」と言って下さいましたが、
「いえいえ、ニャロメが良いです」と言ってありがたくニャロメ袋に入れて貰ってきました。

なんででしょう?
009とか鉄腕アトムとか、遺族商法には心底腹が立つワシですが。
何故か赤塚家の人々は嫌いになれません。
今、残ってらっしゃるのは一人娘の方だけだと思うのですが。
彼女、エライですよ。

手塚治虫の家族とか、石ノ森正太郎んちみたいに、作家自身が死んだ後、ハイエナみたいに残された遺産に泥を塗り、食らいつくす事がないもの。
「一番ちゃんと子供が育ったのは赤塚先生の家だなあ」
と妙に常日頃、感心しております。

赤塚作品をちゃんとアートとして再評価させようとしている。
CM等メディアに出す場面でも、ちゃんと作品の使い方に彼女の意志(制御)が利いている気がします。
(「甘くてしょっぱい?♪」みたいなCMでですら)

一方、手塚家と石ノ森家は目を覆うばかりで。
ライダーシリーズはなんとか保っているようですが。
あのインチキ(失礼)版画シリーズとか。
まあ、騙されて買う方にも問題があるけど、あんな商売しているのは恥だわ。
たとえ石ノ森先生がドMで、奥さんに足蹴にされて金をむしられるのが極上の喜びの人だったとしても。

手塚家に至っては万死に値する。
あの映画!
去年だったか、一昨年だったかの「火の鳥」をPVにしてまるで関係のない、打ち込み系トランスミュージックに仕立てた時にも、
「どーゆーコンセプトで?」と考えた人(多分、娘)の神経を疑ったけど。
今回の映画化には心底呆れたわ。
この人たちは自分たちで自分たちの首を絞めているって気がつかないのかしら?

父親が残したモノをどう使い果たしてしまおうとソレは遺族の勝手ですが。
でも、その作品の根幹を揺るがすような改変(?)を許して、変な商売気で作品をダメにしてしまっている。
作品そのものがどんどん色あせて腐っていく。
まあ、自分たちが生きている間食えりゃいい程度の認識なんでしょうけど。