山麓日記帳

全ては消えゆく、雨の中の涙のように

PIED PIPER 全曲レビューその8

09. Ladybird Girl 後編

さて、ココでワシは思い出します。
「そうか、”Please, Mr.Lostman”から丁度10年だったんだよね、2007年て」
このシングルが発売されたのはそんな年でした。
そしてこの曲が作曲された2006年は「ストレンジカメレオン」から丁度10年後、でした。

なんかもう、こうやってこの10年間を振り返ってみると、なんともこの一見、「極端に陰鬱な歌」から「ウルトラポップな歌」への変化が、「遠い所に来ちゃったなあ」という印象ですが、果たして本当にそうでしょうかね?<疑り深いw

散々道に迷いながら彼らが見つけた方法が、「自分の本当の気持ちをそのまま歌う」って事ですよね。
そのポリシーを基に見事に芸風(?)として「ピロウズ第三期」を確立したんですよ。
そしてソレは常に、絶望しながらも必死に希望を探す力強い確信に満ちた音となって、ワシらバスターズを勇気づけて来た訳ですよ。

しかし、その間も彼らは「新しい自分」を探していた気がします。
(そうでなければ、コレだけの音楽的な変化の理由が他に見当たらない気がする)
ピロウズとは常にトライ&エラーを繰り返すバンドである」byワシ

つまり、その時の気分ごと(?)に「最も相応しい音を探していたら(結果として)こうなった」という気がします。
「バンドの音の多様性」と言えば、聞こえは良いのですがw「ピロウズというバンドのイメージ」は曲毎にかなり違っていて、最初の頃はワシも面食らいましたねー。
まあ、良く言えば、「バラエティに富んでいる」?
それこそ激しいものから美しいもの、お上品なものからおバカなもの、大泣きのものから大笑いのものまで、色々取り揃っている訳でして。

そしてその中でなかなか「芽が出なかったもの」が「極上のポップソング」だったと思います。
勿論、「ピロウズなり」には出来ていたと思います、今迄にも。
でもそれが「ちゃんとシングルカットされて、ヒットチャートに上るくらい」にまで商業的に成功した事ってなかったんですよね。

それを見事、最初に成功させたのが、この「Ladybird Girl」
”Please, Mr.Lostman”から10年。
そしてこの曲が、本当に実際に「道に迷って迷子(Lostman)になりながら出来た曲」というのが、なんとも示唆的というか、「神の啓示」というかw
「事実は小説より面白い」って思えるのです。