08. Tokyo Bambi
叙情的な 「Across The Metropolis」から間抜けでカッコイイ「Purple Apple」をはさんで次に、とてもポップなこの楽曲がこの位置に居るという事が、最初はなんとなく不思議な気がしましたよ。
「Across The Metropolis」には如何にもピロウズ第三期の特色が色濃く反映されていて、このなんとも叙情的でメランコリックな、優しい、悲しい、はかなげな世界観が魅力なんですよ。
なので、ワシはこの曲がシングル時から全くアレンジの変更無しにそのままの形で、このアルバムに収録されたのを知った時は驚愕しました。
「ピロウズは第四期に突入していたと思ったのに!!」(叫)
でも、「Across The Metropolis」の後に「Purple Apple」が来て、その後に「Tokyo Bambi」を持って来た__というのには「曲順として自然だった」という事もあるでしょうが、「この対比を見せたかった」という意図もあるような気がします(妄想)
「Across The Metropolis」で「今迄のピロウズ」を見せる。
そして次にやはり第三期の名曲「フロンティアーズ」の流れを汲む、「Purple Apple」を持って来る。
そしてその後に、ピロウズ型最新式ウルトラポップな名曲「Tokyo Bambi」を持って来た。
コレの意味するものは何でしょうか?
ピロウズが散々今迄、色んなトライ&エラーを繰り返して見つけた道は様々ありますが、その結果、「一つの芸風として確率された」のが「第三期ピロウズ」の「陰鬱でメランコリックで繊細な世界観」ですよね。
でもおっさん達もそれなりに年を重ねて、その「透明でナイーヴな世界」100%では「自分たちのリアルにそぐわない」と感じたのでは無いかしら?とワシは妄想する訳です。
「もっと楽曲として明るく、楽しい。でもそれだけじゃない、極上のロックでポップな楽曲を」
という純粋な欲求から最初に生まれたのが、この「Tokyo Bambi」の後に収録されている「Ladybird Girl」だと思うのです。
そしてこの「Ladybird Girl」が生まれた事はピロウズというこの「メンバー平均年齢42歳」のバンドにとって協力なカンフル剤となり、「まだ新しい事がやれる!」とメンバー自身に気づかせる事になったのだと思います。
そしてその流れから次に生まれたのが、この「Tokyo Bambi」ですね。
新しい創作の喜びに溢れ、まるで少年のようにはしゃいでいるおっさん達をご堪能下さいw