山麓日記帳

全ては消えゆく、雨の中の涙のように

「WHITE INCARNATION」全曲レビュー2

03.ペーパームーンに腰かけて 続き

この曲も世界観が不思議です。ほぼSF。
いや、「現実生活ではあり得ない」「お目にかかったことがない」って意味でSF。
でもピロウズ第一期第二期ってこの手の歌詞が多いんですよね。
「この店のチェリーパァイ♪」とか。
「ありえねー!」「他で聞いた事ねえよ!」って感じで<失礼なヤツ

多分、この曲も映画の「ペーパームーン」がモチーフになっているからなんでしょうが。
イカサマは世界一さ」とか。
(ちゃんと主役テイタム・オニール@後々逮捕の役名「アディ」が登場するし)
でも映画の元ネタを知らないと困惑すること必至。

楽曲はなんともメランコリックで、良いメロディですが映画にも使われている往年の名曲「ペーパームーン」とは似ても似つかないので、とっさにはコレが映画「ペーパームーン」をモチーフにしているとは気がつきませんね。
遊園地でひとりぼっちとか、葉巻箱の下に隠したママのフォトグラフとか、映画の基礎知識がないと「何処の世界の話やねん!?」と困惑するばかり。

多分、この曲は山中さわおからのこの映画への返信(感想文?)なんでしょうが、ちょっとミュージカルっぽい感じが面白いですね。
メランコリックで寂しげな雰囲気とドラマチックな展開そして何より美しいギターソロが気持ち良いです。

しかしココでワシが注目したいのは、当時、シングル「彼女はシスター」のカップリングとして作られながら、アルバムには収録されることの無かった名曲「ローレライ」との相似性です。

ピロウズにはよくある事ですが、「シングルのカップリングはアルバムには入らない」という妙な習慣。
「えー、こんな良い曲なのに、シングルにしか入ってないの?」と最初は思うのですが、コレが「いつものこと」になると、ファンの方も承知しててカップリング曲の為だけにちゃんとシングルを買うようになるんですよw

つまり、彼らのこの(妙な)習慣はこの当時から始まっていたんですね。
ローレライ」が大好きで、「ローレライを次期日本国国歌に推挙したい会」会長のワシ@自称としては、この「ローレライ」の誕生の秘密が実はこの「ペーパームーンに腰かけて」にあるんじゃないか?と勝手に妄想しております。

続く?かも