つまり、書きたい事は。
「ペーパームーンにこしかけて」と「ローレライ」の二曲。
コレは、「音作りは殆ど同じ」という事です。
1980年代後半以降のUKサウンドからの影響が大きい__というか、そのまんま?(^^;
スミスとか、エコバニとかいわゆる「マンチェスター系サウンド」ですよ。
おそらくはピロウズ自身も、その辺りを狙っての「イギリス録音」という事だったのでしょうが。
__まさかソレが原因で、解散の危機に直面させられるなんてねえ?(??;
きっとメンバー自身誰もが予想だにしなかった事でしょうよ。
で。「ペーパームーンにこしかけて」
この歌詞世界は、若い頃のさわおがはまっていた「映画から借りてきたシチュエーションを描く」というモノですよね(「巴里の女性マリー」とか「アンリ・ベルドゥの世界」とか)
だからもう歌詞が、殆どSFw
架空の世界を自分の音楽世界に当て嵌めて、さわおが遊んでいるワケですが。
やっぱり架空の世界なので、説得力に欠けます。聞き手の人生に食い込んでこない。
というか、映画の知識がないと、「この人(のアタマ)はどうしちゃったの??」という世界になってしまうんですよ(だからSFという言い方をワシはするのだが)
しかし、この世界はピロウズ第二期まで続くわけですから、彼の病は深かったんですねw
そして此方「ローレライ」
コチラは未だにさわおが描き続けている、
「音楽と僕」というテーマで描かれた歌詞です。
音楽と自分、この切っても切り離せないモノと向き合い、自分の決意表明を歌にする__という事を何度も何度も繰り返し描き続ける人=山中さわお、なんですが。
ココで、若いさわおはなんと歌っているのか?と言うと、「音楽」に向かって、
「この陶酔の中で僕を殺して」と懇願しているんですよ。
<b>この覚悟!この、エロスとタナトス!!(感動)</b>
この音楽の官能で、息の根を止められたいと願う青年さわおにワシは感動しましたねー。
自分が音楽を生業とする事。人生を賭けている事。音楽と自分自身が切り離せない事。
ソレをテーマにして書いた最初の名曲がこの「ローレライ」なのではないか?とワシはにらんでいます。
そしてこの歌詞の根底に横たわる「日本人的アニミズム」の世界観。
ラブソングの姿を借りた、日本人とは何か?そのものに迫る名作だとワシは考えています(オオゲサ)