山麓日記帳

全ては消えゆく、雨の中の涙のように

「WHITE INCARNATION」全曲レビュー3

04.このままここで

コレは凄く良い曲で、山中さわお@青少年期の異様なまでのソングライティング能力の高さを証明するような作品です。
すごく地味で暗い曲ですが、恋愛(に、似た何か?)の一形態を非常にリアルに歌っています。
コレは今の山中さわおの芸風には絶対無いw

「僕は嘘をついて手に入れようとした」
「そのためならどんな事だって平気だった」
「キミは嘘をついて都合良くうなづいた」
「汚れた顔で僕らずっと笑っている…」

青少年期のある季節、ほんの一瞬の苦い出来事を鮮やかに切り取ってみせるこの歌詞の素晴らしさ!
「若く無ければ書けない歌」ってあるんだよーと思わせられる瞬間です。
ピロウズってよく夕暮れ時の歌を作るのですが(ワシの妄想?)これもなんとも寒々しい晩秋の夕暮れ時を思わせる曲調で、寂しい、人恋しい。
恋しているはずなのに、なんでこんなに寂しいの?という、現代人が抱える不治の病「孤独」を実に上手く歌にしているんですな。

「人生なんてうろつき廻る影法師」なんてシェイクスピアさわおが知っているとも思えないんだがw
その辺りにもちゃんと__たとえ、無意識であろうと、言及しているっぽいのが、「現場のたたき上げ感覚」で素晴らしいですね(褒めてます)

この当時のさわおの事をワシはよく「唇かみしめて、涙のプールになった目で上目遣いで世界を睨み続けている青年」と言い表すのですが、この曲はそのもっともたるモノです。
今はそんな事全然無いですね。面白いおっちゃんになっちゃったなーw
時間は偉大です。

05.サリバンになりたい

さて!この曲は今年のLOSTMAN GO TO CITY Tourで久しぶりに聴けそうですね!!(妄想)
凄く良い曲で。好きなんですけど。

__でもコレもSFなんですよね(^^;

元ネタは往年の名優ジャイムス・ギャグニー主演「汚れた顔の天使
映画の世界をアレンジしてあるから事情を知らない人には何が何やらな面妖な世界ですw

「モンパルナスの灯り」とか「反対側の秤の上」とか「回らない頭持ち上げてさあ!」とか。
言葉のセンスがもう「さわお節全開」で嬉しくなります。

曲はもう、リズム隊が素晴らしい。
そこに乗っかるギターがもうジミー・ペイジ@アキレスラストスタンドみたいで、血がたぎるーーー!!って感じですよ。
へなちょこヴォーカルもココでは「泣き叫び」に聞こえて、グゥ?♪