ピロウズのニューアルバム「トライアル」
何周か聴いた所で色々気がついたことがあったので、忘れないうちに(ーー;メモっておきますね。
・ギターの音が変わった
一番びっくりしたのはギターの音がまるで変わってしまったこと。
12月に大阪でピロウズを見た時に、
「ああ。こんなに熟成の進んだ完成形のケイオスが聴けたっちゅーことは、もう、ケイオスもコレで見納めになるのかもなあ」
と漠然と思ったのですが。
どうやらソレはビンゴだったみたいで。
この「トライアル」全曲、
ギターの音がまるで第一期ピロウズみたいです。
ここに一番驚きましたね。
多分、ギターがケイオスからテレキャスに変わった事とも関係があるんでしょうけど。
明らかに当時やれなかった事を今になって再びやって、勝負しようとしている気配を感じました。
「ピロウズ23年目の復讐」みたいな?
多分、本人達は無自覚にやっているんでしょうけどね。
・なんと「トライアル」はコンセプトアルバム!?
普通ピロウズはアルバムのために楽曲制作をするということが少なくて。
量産型ソングライターの山中さわおという人が、日々作っている曲が溜まったらアルバムに入れるという感じなのですが。
その一方で、何年も前から楽曲はあって。
でも歌詞が乗ってない曲を引っ張り出してきてはアルバムに合いそうな曲だったら収録する。
尺が足りなかったり、つなぎが上手くいかない曲があったりしたら、その場で急遽作っちゃう
というアルバムの制作方法をとっているバンドで。
なので、アルバム全体のトーンも「なんとなく統一感はあるけど、カラーの違いすぎる曲が当然のように入っている事」も十分にあるわけでして。
同じアルバムの中に、「さっきはこう言っとったのに、今度は同じその口でこんな事言うんかいー!?」
というツッコミもあったりして。
でも、それも魅力のウチ。
人の心なんて行きつ戻りつするものだし。
「アルバムの意味」なんてのちのちおいおい数年後にでもわかればいいさ__という感じでありました。
ところが今回は、なんと殆どの曲が、3・11以降に作られた曲で…
4月〜7月の間に書かれた曲が大半を占めるという。
ピロウズ史上初のドキュメンタリー・アルバムって感じですよ。
うーん、ウマい言い方がわからないのですが。
そのままの感情を書いた曲は1〜2曲しかナイけど。
その3・11とその後に感じた山中さわおの心の日記(軌跡?)みたいな印象を受けました。
まさに、3・11印象派アルバムと言えるのではナイでしょうかね?
ソコにあるのは絶望的な孤独と苦しみ。怒り。
それが前半はアグレッシヴな勢いのある楽曲で語られ、アルバムの後半は一転してダークな冷たい世界に入ってゆく__というのが新鮮で驚きでもありました。
そして一転しての最終曲での派手な終わり方…
まさに、死と再生。祈りと祝祭が同居する結構複雑なアルバムで…
シンプルなロックンロールアルバムとしても楽しめますが、後半の欝具合が凄まじくて。
「ストレンジカメレオン」の「ナーナーナー」に匹敵するような嘆きの表現もあるし。
真鍋代表(ぴぃさま)のブルースギター(!!)とかシンちゃんのGoodJobっぷりとか。
実に複雑なアルバムとしても楽しめます。
聴いた後は、「さわお、苦しんだんだなあ…かわいそうに…」と素直に感じましたね。
勿論、全日本人が苦しんだんですけどね。勿論ワシも苦しんだ。
しかも聴いていると涙が溢れてくる。止まりません…(´д⊂)
ワシはこのアルバムのリリース前に「Please, Mr.Lostmanに匹敵するような特殊な空気感を持ったアルバムになるのではないか?」との大胆予想wを立ててましたが、あながち間違ってなかった。
でも予想外なまでに「ロックなアルバム」でもあります。
まぁ、そのあたりの細かいことは明日から毎日チビチビオイオイ書いていくから、首を洗って待っていろよ!!<何故