山麓日記帳

全ては消えゆく、雨の中の涙のように

「ダーウィンの悪夢」の悪夢

まあ、そんな事はその場限りの淡い印象としてすっかり忘れていたんですがね。
なんとその数日後に、たまたまの偶然で映画「ダーウィンの悪夢」を見たんですよw
そしたらコレが、ひでえ映画でして。

その昔、「世界残酷物語」っていうシリーズのフェイクのドキュメンタリー映画ブームがあった事をご存知かな?
イタリアのヤコペッティというまあ、山師みたいなおっさんがw
世界中の野蛮で奇妙な風俗や怖い風習を寄せ集めて一本の映画に仕立てたドキュメンタリー映画を作ったんですよ。
コレの第一弾が「世界残酷物語」(1961)
コレが「ドキュメンタリー?」かと言うとそうじゃなくて、虚実取り混ぜて、演出ややらせも有りの、「見せ物小屋映画」ですよ。

その「世界残酷物語」を思い出しましたね>「ダーウィンの悪夢

つまり、この「ダーウィンの悪夢」こそ、生態系を破壊するナイルパーチフィレオフィッシュの材料になる白身魚)をアフリカのビクトリア湖に放流した事で、一つの国の経済から人心、全てが変わってしまって取り返しがつかない事になった悲劇を描こうとしたのでしょうが__結局は富める国と貧しい国の比較対象を熱心にやろうとするあまり、ホラー映画チックな演出ばかりが随所に見受けられて、見終わった印象としては、なんだか「お品がない映画を見てしまったざますわねー」な仕上がりになってしまったという__なんとも皮肉な悲喜劇映画なんであります。

しかも、どうやら作った本人はエコ(環境問題)と死の商人の問題を巧い事絡めて、「このオレ様の美しい心を見よ!」とばかりにエコでロハスwな皆様にアッピールできる!なんならノーベル平和賞だってオレのもの!?__と、思ったどうかは定かでは有りませんwが、なんだか「その皮膚一枚下の野心がニラニラとにじみ出る残念な結果」になっててアイタタタタな映画でした。

つまり、この映画を理解する最大の手がかりになったのが、実は「世界の果てまでイッテQ」の「珍獣ハンター イモト」のコーナーだったわけですよ。

ナイルパーチ漁をしているのは、映画中ではエイズで死にかけの人だらけな漁師さんたちの筈なのに、イモトの番組では「普通に逞しい漁師さんたち」だし。
「なんか、この映画、イモトの番組と同じ場所の話とは思えなくね?」
コレが最初の疑問です。
明日も続きます。