山麓日記帳

全ては消えゆく、雨の中の涙のように

マッドマックス 怒りのデスロード

と。言うわけで。
「マッドマック 怒りのデスロード」届いて以来、ほぼ毎日見てますな。
ワシ、どんだけ好きなんだよこの映画w

で。色々と感想を書いてあるブログを読む機会もあるんですが。
「はー、なるほどねえ…」と思ったのは「ひどすぎて見てられない」というご意見でした。

女性が手荒に扱われたり、残酷なシーンが「耐えられない」とおっしゃってて…
「現実のほうがよほど残酷なのになあ」(´・ω・`)と思ってしまいました。
なにか心にトラウマがあるのか。
よほど温室育ちで映画の暴力シーンを生まれて初めて見たとか…

「ふーむ、感想は本当に人それぞれなんだなあ」(´ω`)
と改めて思いましたよ。
だから、あまり声高に人におすすめしたりするのは良くないことなのかもしれませんね。
自分でそのつもりはなくても、勧めた相手の心のトラウマスイッチを踏んでしまうかもしれない。

難しいもんです。
同じ楽しさ、世界を共有したいと思ってても、なかなかそれが許されるものではないのかもしれません。

「マッドマックス 怒りのデスロード」はもう何度も書いてますが、ジョージ・ミラーの尽きることのない情熱と作品に傾けた熱量が半端ない映画でして。
書くことが尽きないですねw

昔、CGが出てき始めた頃、クルマのCMで崖っぷちの滝の上にクルマが止まっている映像が出てくるものがあって。
それがCG丸出しでw
「全然ありがたくないなあ」としみじみ思ったことが有りまして。

ソレに比べてこの「怒りのデスロード」は何が凄いって、全て人力でやり遂げようとしている所ですね。
もちろん、釣ったり安全策はとっているのですが、結構決死の撮影現場。
映画に使われた映像と、加工前の生撮り?の差があまり見られないのが特徴です。

やっぱり人の本気さこそが人の心を動かすんだなあと改めて思い知ったわけですよ。

あとこの映画、とても音楽的でもあって、「オペラ化出来そうだなあ」と思いつ見てました。
漫画「イノサン」とかは「おお、宝塚で舞台化を狙っているね?」と思っちゃうほど狙いが見える気がするのですが。
この「怒りのデスロード」も十分、オペラ化出来そうですよ。
「5人の妻たち」が歌う、「私達の子供を悪に染めさせはしない」の五重唱とか聞こえてきそうだもんw

この映画の公開に合わせてシドニーのオペラハウス前でパレードがあったんですよね↓

もう舞台化する下地は万全というかw「いつでも出来まっせ!」感がある気がします。

そしてやっぱり何度見ても、クレバーな編集と映像の美しさに耽溺してしまわない抑制のきいた表現に舌を巻くばかりですよ。
普通だったらここで大見得を切って「これでもかこれでもか」と観客に見せつけるシーンを敢えてそうしない。
今回、映像特典でカットされたシーンもついていたんですけど。
「なるほど、コレはカットして正解!」でしたw

凡百の映画監督が陥る罠(どうだどうだコレ見ろコレ見ろ的なエゴイズム)にはまることなく、この力強い物語を粛々と勧めて色んな事を表現しよう(人にとってふるさととは何なのか?真の英雄とは何なのか?などなど)としたジョージ・ミラー監督にはまさに脱帽です。
実に深い映画です。