山麓日記帳

全ては消えゆく、雨の中の涙のように

ザウパーの悪夢

ダーウィンの悪夢」ではナイルパーチ漁をする漁師さんはそのほとんどがエイズ患者で、今にも死にそうでした。
「お金の為にいやいや労働している」って感じでした。
でも「珍獣ハンター」では元気に逞しく、喜びに溢れて雄々しく漁をなさっています。

「漁師さんの村にはエイズに罹患した売春婦さんたちが常駐してて、孤児も沢山居て、お腹を空かして暴力に怯えドラッグに逃げている」
と、「ダーウィンの悪夢」では主張されていましたが、「珍獣ハンター」には勿論そんなものは出て来ません。
「珍獣ハンター」に出て来た地元の子供達はどの子も可愛くて元気いっぱいで人懐っこくて、「子供の原型」みたいな印象でした。
「そうそう、日本の子供もこんな感じ」<「まだサルだ」という意味

つまり、コレはどういう事なんでしょう?

勿論、映画が100%ねつ造であるとは思いません。
テレビが100%真実であるとも思いません。
どちらとも「真実のある一面を切り取った」って事なんでしょう、おそらくは。

「切り取る人の意図と視線」によって、現実はかくも両極端に引き裂かれてしまいます。
「果たしてどちらが本当?」苦笑まじりに思い出してみますと、ワシの意見としては
ダーウィンの悪夢」●●●●●●●●●●|●●●●○●●●●●「珍獣ハンター」
                       ※この○あたりに多分「真実が存在する」感じ

___判りにくい?(ーー;

ダーウィンの悪夢」で何に一番腹が立ったってあーた(誰?)
「ヨーロッパ人の豊かな生活の為に虐げられるアフリカの人々」というザウパー監督の主張は判りますが、そのヨーロッパ人そのものである監督自身が、「どの口で言う!?」って部分でした。

「じゃあ、ザウパー監督自身はこの問題をどうしたいんだよ?フィレオフィッシュ食うなってか?不買運動しろってか?そんなんじゃ、タンザニアはまずます貧困化するじゃんか、ナイルパーチで実質外貨獲得してんだぞこの国は!?なんだい、石器時代に戻ってアフリカ人は裸で農業だけして引きこもっていろってか!?」

問題提起だけしてみせて、自分はあくまで「安全地帯から一歩も踏み出してこない」
監督のこの部分において、「コイツ、信用ならん奴」と直感しました。
するとやっぱり、この映画、あちこちで問題を引き起こしてた事が判明。
ソレはまた別の話。