山麓日記帳

全ては消えゆく、雨の中の涙のように

「ボヘミアン・ラプソディ」

その後、知った事実。
一応、映画「ボヘミアン・ラプソディ」は監督がブライアン・シンガー名義になってますが、シンガー監督はまだ「ボヘミアン・ラプソディ」を製作途中だった去年の12月にこの作品から降板してたんですね。
その後を引き継いで映画を完成させたのはエグゼクティブ・プロデューサーだったそうで…

「それじゃ、監督の名義がブライアン・シンガーなのはおかしくない??」と思うのですが。
ま、色んな大人の事情でこのクレジットになっているんでしょうね。
この「ボヘミアン・ラプソディ」という映画。

QUEENというバンドの存在自体がとてもふしだらで不謹慎なものなのに、まるでこの映画では、ジュヴナイル向けに殺菌して漂白したような物語になっているんですよねえ。親子で安心して見てられる安全な音楽映画になってますw
ワシはそこが一番気に入らない(^_^;)あんたらそんな人やないやん…

例のパーティのシーンだって。
どんなゲストが来たのかは当時から報道されてたし、それにメンバーもノリノリで参加してたことだって知っている、・映画の中ではフレディの素行の悪さ(性欲の強さ?)に他のメンバーが呆れているような表現がありましたが…エイズで死んだフレディだけが乱痴気騒ぎを楽しんでたわけじゃないってワシはちゃんと知っているからね!w

でも、QUEENというバンドは。なぜか「自分たちだけは真っ白でいたい、是が非でもいい人でいたい人達」なんですよね。
当時もリアルタイムで、「なんでそんなに取り繕うんだろう?現実は違うのに、死に物狂いでそれを認めないその理由はナニ??」ととっても不思議だったのですが。
まあ、そういう人って一般レベルでもいるから。
だから、このQUEENの偽歴史とでも言うべきこの映画こそが「QUEEN当事者にとっての本当の物語」なんでしょうね。そう感じました。

この映画の最大に気に入らない部分がここなんですよ!
「あんたらそんな人達じゃないやん!苦しんでいる今現在自分の身近に実在する人間よりタスマニアタイガーの心配をするような人やん?知っとるでーワシは!!」と何度もツッコミ入れながら見てましたw

バンドものとしてもとっても薄っぺらくて、古式ゆかしいスポ根みたいな定石通りの展開で、「今更コレかよ!?」と驚きの内容なんですがw(通り一遍の青春モノ的な感じ)
QUEENの楽曲が流れている、それだけが従来のスポ根モノと違うところかなあ…

ワシはてっきりこの「映画としてはありきたりでなんら目新しい切り口がない」というその理由が、ブライアン・シンガー監督のせいだと思ってたんですね。
「この複雑怪奇ないい人でいたいよう病のナルシシズムでパンパンになった男たちの物語を切り分けて腑分けしてみせるには、シンガー監督にはその手腕がなかったってことなのね…残念ね…」と思ってたのですがw

ところがどうもその降板理由が、シンガー監督が、キャストや映画会社の上層部の意向に沿わない事をしようとしたからだったみたいで…
おそらくはQUEEN側(ロジャー・テイラーブライアン・メイ)が命をかけても守りたい「なにか」(QUEENの栄光?伝説??)があったからなんだろうなあと思うですよ。
だからこそ、敢えてバンドの真実を腑分けすることを監督に許さなかったってことな気がしますよコレは!
そのクズっぷりこそ、80年代なかばに全世界から批判されてディスられてたQUEENのスタンスそのまんまやで!(≧∇≦)b

…腑分けされる側のくせして文句つけるたあいい度胸だな。とは思いますがねえ。
さすがは女王陛下やで…スキャンダルならノーサンキューなんだぜ(キョン2かいー)

とまあ、かようにあんまり褒めるところがない映画ですが、QUEENの前身である「SMILE」のライブシーンがあるのはとても良かったです。
本当にここだけは良かったw

ワシにとってのQUEENはリアルタイムで体験した「戦慄の女王」と「QUEEN�U」だけなんですよね…
本当にこの二枚のアルバムはワシにとって「等身大のロック」だったんですよ。
なので、その後のなんだかよくわかんない方向に進んでいくQUEENとは「もう全然合わなくなっちゃって…」と生き別れになった幼なじみを見るような視線で見てる存在だったんです。

だから例の「サンシティ事件」の時だって。
「そうそう、あんたらこういう人らやねん」とは思いましたが、それ以上の感慨はなかったですね。
「やっている事が死ぬほどダサいな(もう全然聞いてなくて良かった)」くらいは思いましたが…

でもま、ワシが全然評価してなくてもこの映画、ヒットするみたいだから、それはそれで良いんじゃないでしょうかねえー(ハナホジ)

まず、主演の人!!全然フレディに似てねーし!
むしろきんどーさんに似ているし(特に体型が)
映画の最後の方、本物のフレディが出てくるんですが、体型もお顔もびっくりするぐらいキレイでしたよん。