山麓日記帳

全ては消えゆく、雨の中の涙のように

まだマガジンのライヴDVDの話

マガジンの名演奏に浸っていたら、なんとこのビデオ(旧西ドイツのテレビ番組「ロックパラスト」)すごく中途半端なところで終わって居るんですね。
セットリストの記録を読むと、この番組では全16曲演奏したはずなのに、番組は13曲目で突然終了しちゃうのです。
「さあ!これからハイテンポの曲が続いて盛り上がりますよー!」の直前で終わってしまう。
「なんでこんな地味な曲がラストなの?何故!?」と不思議な気がしたのですが、録画時間を見て納得。

13曲目が終わった時点で58分なんですよ。
「そうか、コレ一時間番組だったんだ」(´・ω・`)ショボーン

今CSとかでやっている「THE LIVE」の「一時間限定版」ですね。
「THE LIVE」は一応、三時間枠がとってあるので、「ライヴ生中継の途中ですが、放送終了時刻が迫って参りましたので、残念ですがコレで番組を打ち切らせていただきます」という事態には(まだ)遭遇したことがないです。

しかも、この「ロックパラスト」、お客さんの様子も面白くてね。
明らかなパンクの兄ちゃんとかが居るんだけど、「え?パンクじゃなかったの??」という風情で呆然と棒立ちになっていたり。
妙に_当時のロックのライヴ会場にしては、年齢層が高めのお客が多かったりと。不思議な雰囲気です。
でも、この観客の雰囲気も Radioheadに通じるモノがありますね。

この生演奏で気がついた事は、1978年当時、「マガジン=オーヴァープロデュースの産物」みたいに一部では言われていましたが、全然そんな事は無いって事です。
もう、レコード(当時)の音源そのまま。
分厚い「音の壁」も生演奏でそのまま。
キーボード、ギター、ベース、ドラムがそれぞれ全く別のフレーズを繰り出しながら巨大なグルーヴのダンゴになって爆走していくサマは物凄い迫力です。

「ひょっとしたら、当時のプレスも観客も自分の目の前で何が起きているのか?が全然理解できていなかったんじゃないのか?」という気がしてきました。
いくらプログレ以降とは言え、こんな音楽をこんな手法で演奏した人たちは、皆無でした(当時のワシの記憶が正しければ)
ロックンロールもブルースもその基盤にはなく、ひたすら轟音のロックミュージックが絶妙のアンサンブルでファンキーなリズムに乗って爆走し続けて居るんですよ。

「この30年間、ロックミュージックは、実は何も革新的なモノを生み出してないのでは?」といぶかしく思いました。