山麓日記帳

全ては消えゆく、雨の中の涙のように

「成るなら鳴らねば」最終回にひれ伏すワシ

本屋にてギター・マガジンの最新号を立ち読み。
田渕ひさ子の連載コラム「成るなら鳴らねば」が最終回だというので、「どんな事を書いているんだろう?」と軽い気持ちで立ち読みして、正直ワシ、打ちのめされてしまいましたorz

「やっぱりスゴイ人だわーー田渕ひさ子。ただの猫背のオバチャンとはちゃうわいな」

以前、DVD「発育ステータス”御起立ジャポン”」を見た時に、「この人は本当に恐ろしい人だな」と感心した事があったんだが、その時は正直、本人がどこまでご自分のその才能の芯の部分に対して自覚的であるのか?はよくワカラナカッタのです(ソコまでニブイのはワシだけかもしんないんだが)

つまりこのDVD「発育ステータス”御起立ジャポン”」というのはブレイクして、見事に売れちゃった♪な椎名林檎が、(金と名声にモノを言わせて?)かつて自分が憧れた、福岡のガールズバンドの花形ギタリストであった田渕ひさ子を自分のバックにメンバーとして従えて、「どうよどうよ」とまるで自分自身の過去に復讐するような、(かなりブキミな)内容のドキュメンタリー&ライヴDVDなんであるが。

本当にココで、本人達も予期していなかったであろう恐ろしい事が起きてしまうのでございます(<岸田今日子の口調で)

つまりこのDVDは椎名林檎の作品だというのに、そこに残されているのは田渕ひさ子という人の、圧倒的な個性と才能。
多分、世界に勝負して行けるだけの才能を持った不世出なギタリストの存在。

それは演奏は勿論(ベーシストが三人がかりでたった一本のギターに立ち向かって行くのに、あっちゅーまに死屍累々)の事、「楽曲に対する解釈」を巡っても断然他を突き放す存在である__という事実に気がついて、「このDVD、下手なホラー映画より恐ろしいわ!」とワシは見終わった後、思わず叫んでしまったくらいですがな。

で、その「才能の芯の部分」に田渕ひさ子本人がどこまで自覚的であるのかな?というのは今の今まで全然判らなかったんですが。
この最終回コラムを読んで、実に彼女が、確固たる自覚と決意を持ってこの自分の姿勢を保持しているのだ!と判って感動のあまり胸が「ぎゅーー」となりました。

表現者としてクリエターとして、母として一人の人間として。
やっぱり彼女はスゴイ人であったんだなあ。「本当の言葉」は何よりもワシの心を打ったです。
思わず尊敬してしまいました。