山麓日記帳

全ては消えゆく、雨の中の涙のように

ボーダーラインを越える男 3

さて、ココでみなさんも思い出してください。
つ 参考物件=「発育ステータス」(椎名林檎
ベーシスト三人でたった一人のギター(田渕ひさ子)に立ち向かい、あっけなく全員討ち死にしているという例の、オソロシイ物件ですね。

えー、このZepp Tourでも全く同じような事が起きましたね。
目撃しました。この両目で、この両耳で。
ワシ、その瞬間、感動のあまり、身体が震えました。

このアンコールの時、ギタリストはステージ上に4人居たんですよ。
ミスチル桜井(テレキャスター・シンライン)、ミスチル田原(テレキャスター)、舞台袖に隠れてギター弾いてるハゲのおっさん@名前は知らない(よく見えなかったが、使用機材は多分、ギブソンレスポール)、そして真鍋代表(フェンダー・ジャグマスター)
そして更にサポートミュージシャンの周囲にはキーボードが山のように積んであり、シンセやらなんやら。
とにかく、「音が分厚い状態」ですよ。

普段は「人数分の音しかしないライヴ」しか見てないワシが、こんな状態にホボ、初めて放り込まれて、「いわゆる大衆音楽ってこんな感じなのかー」とボンヤリ聴いている状態だったんですがね。
そのアンコール曲が始まって、真鍋代表のギターが鳴らされた途端、その「大衆音楽」にあっという間にロックのテイストが付いて、楽曲がドライヴする、音がうねる、グルーヴが渦を巻く!
ヘナヘナのカシャカシャした他のギター(三本分の)音をジャグマスターの爆音がなぎ倒して、もう「皆殺し」の状態でしたよ!!

「うわ!やっぱり、この人、オソロシイ人だー!!」(鼻血)

とにかく先ず、音の作り方がスゴイ。
圧倒的__としか言いようが無い、気持ちの良い「抜ける」音。
「心地よい」という他に相応しい言葉が見当たりません。とにかく、「聴いてて気持ちの良い音」ですね。
太く、腰の据わった、鋼のバネ。

そしてその「音」で弾かれるフレーズの素晴らしい事。
「なんとなく」の「雰囲気だけ」で弾かれる意味不明のギターソロって世の中に凡百ありますが、ここで弾かれたギターソロは、いつものテイスト。いつもの「聴いた後スグに鼻歌で再現できるくらいの明確な意志と目的を持った美しいメロディ」のソロであり。
キーボードが奏でるストリングスの音も「他三人」のギターの音も関係なく、「たった一本のギター」が光り輝いているのです。