山麓日記帳

全ては消えゆく、雨の中の涙のように

Wake up!Wake up!Wake up!全曲レビュー その9

10.Century Creepers(Voice of the Proteus)

「うわ!『てるる...』!?」
コレがこの曲の「第一印象」でした。
ウチの長女も、「あの10曲目、『てるる...』だよね」と言ってました。
てるる...』ってこんな感じです。ギターの音も曲の構成も似ている。
てるる...』の「連弾」って曲に似てますね(イントロ前半のみ)

そう言えば、2006年11月の七隈祭、オープニングアクトは『てるる...』でしたね(トリはピロウズ

まあ、何かの偶然でしょうが(^^;
面白いなあ。
かたや『てるる...』はメンバーの平均年齢22歳ぐらい?
ピロウズは__平均年齢41歳ぐらい?
「ほぼ、倍」ですね。

多分、年齢的にこの疾走感が「限界」なんでしょうが、頑張ってます。
この音だけでは年齢は判りませんね。こんな曲をオッサンになってもやっているというのが、単純に感心します。
まるで若者のように走り回ってシャウトしてます。
(「笑えばひぃさぁ??うひゃらひゃらひょろ、可笑しいんだろぉう?」と盛大に声をひっくり返しながら)
「老練」とか「熟年」とか「老成」とか「手だれ」とか「成熟」とか。
そういう言葉を一切、感じさせない音です。
この特色のせいで、ワシは長年、「ピロウズはまだバンドの方向性が定まっていない、若手のバンドなんだろうなあ」と勝手に思い込んでいたんですから。

いや、恐ろしいバンドです。

この「プロテウス」と言うのはクロアチアの山奥の洞窟に棲んでいる盲目のサンショウウオ(暗闇なので目が退化している)の事だそうで。
たまたまテレビで紹介されていたのを見て、
「俺じゃん!?」と思ったそうで(ラジオインタビューによる)
自分を「廻りの色に馴染めないストレンジカメレオン」にたとえる人物ならでは。な「爬虫類シリーズです」ね?
サンショウウオは両生類<念のため)

洞窟から一生出る事も無しに、暗闇の中、100年も生きて何も見る事の無いままのサンショウウオ
「よくソレで絶滅しないなあ」と思うのですが。
だって、そんな状態で雄と雌が出会って繁殖するのって__「ほぼ奇跡」な気がするですよ。

それでもこの歌の中のプロテウスは走り回って「いつかはキミと出会いたいんだよ」と歌うのですね。
「視力がなくても見つけるだろう 似たような痛みを嗅ぎ分ける 全身全霊で」と。
出た。「The 山中さわおsong」
いつかは耳に届くべき人にこの歌が届いて欲しいと願っているんですね。