山麓日記帳

全ては消えゆく、雨の中の涙のように

ボーダーラインを越える男 5

「その詳細」をかいつまんで書くと↓
・オーケストレイションを一から勉強し直して、ストリングスのスコアを書く事から始めた。
・打ち込みでその楽器の音を作って重ねて行く。
・しかし、バンドの生演奏に被せてストリングスを入れるので、リズムを合わせるのが難しかった(本来は逆の手順で録音される=「打ち込みによる完ぺきな音と正確なリズムのストリングス」→「それに合わせてバンドが演奏」しかし、それではバンドのグルーヴ感とか「乗り」が絶対的に不足する。まあ、それを気にしない人も多いんだろうけど、この「微妙なゆらぎ」を持つピロウズのグルーヴ感が大好物のファンには、やはり通常の手順では「食い足りない」と思われ)

特に、「神様より君を信じる」の部分で奏でられるストリングスは本当に美しい。涙が出そうになる。
すると、8歳の次女がこう言う↓

「あのね、『スケアクロウ』を聴いていると、胸の中がざわざわしてきて、涙が出てきそうになるの。『あぁ、もうダメ。涙が出ちゃう?!』と思っていると曲が終わるので助かる。でもいつもいつも、聴く度に涙が出そうな、泣きたいような気分になるの」

凄いな、ピロウズ、8歳の女児までも(ごくっ)

ワシはこの曲のストリングスもそうですが、ギターソロでも泣きそうになります。
「聞こえるだろう、頷いてよ。相応しい音楽が」と歌うその歌詞に答えるように、「聞こえるよ!この音だね」と凛々しい決意に満ちたギターソロが、力強いフレーズで弾かれるのを聴いていると、心より先に身体が感動してしまって、涙が滲みます。
ライヴver.のソロでは、感情的に流される気配が大きくて、非常にエモーショナルでメランコリックで、コレはコレで素晴らしいギターソロだったんですが、後半ちょっと「感情的になりすぎる」気がしていたのです。
するとやはり、スタジオ録音では変えてきましたね。

「ハイブリッドレインボウ」で、あの「目の前に巨大な虹が突如ドーンと現れた」みたいに奏でられるソロを作った男なだけはありますぜ。
彼のソロはいつも、泣かない。泣き言を言わない。
涙を振り払い、凛々しい姿で立っているんですよ。ソコにいつも感動してしまう。

あ、もひとつ気づいた事。
「つよがり」でのフルート音は「メロトロン」ですってよ、奥様!
♪いんざ、こーとぶざ、くりむぞんきぃ??んぐ♪ですわよ。
音がフラフラしてて楽曲にマッチしてますわよね!!