山麓日記帳

全ては消えゆく、雨の中の涙のように

11月は逢魔が月 その6

子供たちを風呂に入れ、「ダンナは迷わずに義弟宅に辿りつけたかしら?」と思いながらベッドに入ったら、ダンナから電話。
「たどり着いたんだけど、やっぱり弟は帰って来なくて、ずーっと家の前で待っているんだけど…」と言う。
「義弟は中で死んでいるんだろうなあ」と思いながら、「じゃあ、アナタが満足するまでもうちょっと待ってみたら?」と提案すると、ダンナ素直に「そうする」と言う。
「ダンナには飯は食わせているし、ちょっと冷え込む夜ではあるが、我慢できないほどではなかろう」とタカをくくってワシは眠りについた。

すると。
深夜にまたダンナから電話。
「オレはどうすればいいの?」と聞いてくるorz
ワシはもうすっかり眠っていたので、「イイトシなんだから、自分で考えてクレヨ」と思いながらも、
「しかし、ダンナが一人で義弟の死体を発見するという事態はあまりにもダンナが可哀想過ぎるから、警察の手を借りるか」と決心し、ダンナには、
「とりあえず、義弟が居なくなった事は事実なんだから、失踪届を出す前段階として、警察に相談に行きなさい」と命令する。
(そうすれば、この後、死体が発見されても警察に通す話しが早いしね)と思ってのワシの発言だったが、ダンナにはもう、その辺りのワシの思惑の事は言わないでいた。

するとダンナ、
「えーでもそんな警察だなんてオオゴトにしたくないよ」とか寝ぼけた事を言う。
「寝てたのはワシなのに、なんで寝ぼけた事を言うのがダンナなんだろう?」と不思議に思いながらも、
「でもね、居なくなった。姿が見えないのは本当の事なんだから、ちゃんと警察には話しを通しておきなさい。失踪届を出すなり、家の鍵を壊すなり、警察の手を借りる事になるのには変わりは無いんだから」と言うとダンナ、
「そんなカギを壊すなんてオオゲサな事、したくないよ…」とゴネる。
ので、思わずちょっと頭に来て、
「早くカギを壊さないと、中で死体が腐るよ」とワシ、言う。
(実は11月1日の昼間、真夏が戻ってきたような陽気であったのだ>九州地方)

でも、ダンナはワシの話しには耳を貸さず、
「じゃあ、警察に相談に行くかな??でも何処に行けば良いの??」とワシに訊く。
ので、
「コイツ、心に耳栓しやがって」と思いながらも、
「イイデスカ、マワリヲ見渡シテ、最寄リノ警察署ニ行クノデスヨ」と指示を出して、
「眠いからもう寝るわ、お休み」と電話を切った。