山麓日記帳

全ては消えゆく、雨の中の涙のように

「密輸 1970」

とっても面白い映画を見ましたんやで。

ソレはコチラ↓

mitsuyu1970.jp

1970年、韓国の海辺の田舎町を舞台に密輸をシノギにする人々が乱戦を繰り広げる映画なんであります。

ワシは今まで、「面白い韓国映画」って「お嬢さん」しかないと思ってたんですねw

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ところが、やっと!

その「お嬢さん」に肩を並べる面白映画が登場ですよ!(゚∀゚)

しかもクライムアクションコメディ!!

 

海でアワビを獲って生計を立ててた海女さんたちが、公害(工場の廃液)で漁ができなくなりまして。

食い詰めた結果、「地元ヤクザの密輸の手伝い」を始めちゃうんですね(なんとこの部分、実話なんだそうです)

密輸品を沖に沈めて、その沈めた荷物を海女さんたちに潜らせて回収させて、税関の眼をかいくぐって荷揚げして売りさばく__という簡単なビジネスだったはずなのですが…

 

ワシが一番ビックリしたのは「1970年」という時代の空気をとても正確に再現していること。

海中撮影の見事さ。

海女さんの演技?の凄さでした。

海中でのアクション、撮影の大変さが忍ばれましたが、海中を自由自在に泳ぎ回る海女さんの姿がとても魅力的です。

 

基本コメディなので、全体のタッチは明るく描かれるのですが。

物語のトーンは基本、今村昌平監督作品に近い気がしました↓

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自然に抗って生きる人間、その中で少しでも生き延びようともがき戦う人々。

その関わりの中で滑稽で人間らしさが漂い笑ってしまう感じとか…似てる気がしましたよ?

(「楢山節考」だっておとなになって見返すと、なんか牧歌的と言うか、おとぎ話的で笑ってしまう場面もあるし)

この「密輸 1970」の監督さん、リュ・スンワンさんという方らしいですけど。

かなりの腕利きとお見受けしましたが…

この監督さん、「軍艦島」(2017年)という映画で、長崎県軍艦島を史実と違う「殺人と奴隷労働の島」と描いて大炎上した人なんですねw(ノ∀`)アチャー

 

徹底したエンタメ魂を持つ人なので、軍艦島を「地獄の島」と描いて面白作品にしたかったんでしょうけど…結果内外からめちゃくちゃ怒られて「コレは日韓分断のためのプロパガンダ映画なのではないか」とまでの言われようだったそうです。

…まあ、実際に軍艦島端島)で働いて生活してた人たちが多数まだ生存している状態では…嘘ついたらいかんわなあ…