山麓日記帳

全ては消えゆく、雨の中の涙のように

「007 スペクター」

とある事情により、いま劇場公開されている007の最新作、「007 ノータイム・トゥダイ」を見に行きたくてですね。

「でも見に行く前に前作を見ておいたほうがよくね?」って事でサクッと自宅のテレビでなにげに見てたら、コレがべらぼーに面白くてですね…すっかり堪能してしまいました↓

「007 スペクター」(2015年 サム・メンデス監督)

わーわーわー!(;^ω^)なんと、ワシの大好きなサム・メンデス監督だったんですねwしまったw(←つまりこの程度の映画ファンだって事ですよ)

 

とにかく、ファーストシーンから素晴らしいんです!

メキシコの「死者の祭り」から始まって、ビルの屋上をこともなげに早足で渡っていくジェームズ・ボンド

この格好良さから完全にノックアウトされてしまって、もうこの映画にすっかり魅了されてしまったわけですよ。

 

そして舞台は年月を経た芳醇なワインのような香りが漂う美しきローマの未亡人のもとへ。

そこから一転オーストリアの山岳地帯へと舞台は移り、信じられないようなロケーションの病院へ。

とにかく、007の原点だった「世界漫遊」の喜びがこれでもかこれでもかとどんどん注ぎ足されていって、豪華なフルコースを食べた直後に素敵なアフタヌーンティーに招待されて、しかもその後にスコッチウィスキーまで待っているという、いたれりつくせりな歓待ぶりに感動させられてしまいます。

 

この「スペクター」ではいわゆる「ボンドガール」が出てこなくて、そこがちょっと残念(´・ω・`)なんですが、おそらくはヒロインであるシャーロットを際立たせて、ボンドとの愛を描きたかったからだったんでしょうね…

 

その部分を除けば、もう、この映画は「大娯楽作品」として世界トップレベルのクォリティを見せつけてくれますよ。

とにかく、画面の隅々まで手を抜いてない。

本物の調度品、本物のロケーション、壁に飾られた絵の一枚、象嵌細工のサイドテーブル、机の上のピッチャーとグラスのセット、「見るべきもの」「見ごたえのある美しさを誇るもの」がとにかく、画面中に配置されてて、中で演技している役者さんをこれでもかこれでもかと引き立てて、圧倒的な見せ場を作ってくれているのですから。

 

「こりゃたまらんな!!うははははは!!!」

の、連続でありました。

もう、マイ・スイートハート、サム・メンデス、お前こそは本物の芸術と娯楽を知る男よ。

そなたにアカデミー作品賞をくれなかったアカデミー会員共は、どうか地獄の業火で永劫に焼かれますようにナムナム…