山麓日記帳

全ては消えゆく、雨の中の涙のように

「葉桜と魔笛」を見る

日本の文豪たちが残した怪談4作品をドラマ化した「怪しき文豪怪談」という番組が8月23?26日、NHKBShiで午後10時から放送している真っ最中なんですが。
その中の一編です。録画して見ました。
監督は塚本晋也♥わーお(・∀・)

コレは太宰治の原作でして。原作は<a href="http://www.aozora.gr.jp/cards/000035/files/42376_15545.html">コチラ</a>

この原作は読んだことがなかったのですが。
この映像化では非モテ女子の哀感がよく出てて、「怪談」というより「いい話」になってましたね。
(いや、原作もそうか?)

塚本晋也の最大の魅力である、官能的な恍惚感溢れる映像と音楽で作品化されててヨカッタですね。
ちょっとカメラ揺れすぎでじっと見ていると乗り物酔いしそうでしたが。
基本、「テレビで見るのはモッタイナイ!」て感じの作品でした。

…でも、この非モテ女の哀感って。
男性が描くのは珍しいような。
女の人はねー。今は無いかも知れないけれど、「家に縛られる」って事があるから。
その感じはよく出ていた気がします。
コレはもしかしたら、太宰自身の「旧家に縛られていた私」という出自から生まれたものなのかも?

唯一、「怪談」ぽいシーンがあった(兵隊さん這いずり回り)のは塚本監督の「サービス」でしょうかね(^^;

それにしても、ドラマ本編より、その後の制作秘話みたいなドキュメンタリー部分が面白いのはどーしたものでしょうかw
このドキュメンタリーあってこそのドラマって感じになってますね。

「自分が幸せであっては人間の罪は描けない」なんて言いながらまた薬物に手を出して自ら破滅の道を選んだ太宰治
そのドキュメンタリーを見ながら次女が一言、
「なんでそこまで成り切らないかんと?」(何故、そこまで成り切らねばならないのか?)

確かにそうだよねー。
殺人鬼を描くからって、作家自身が殺人鬼になったら世間が大変な事になっちゃう(^^;
「ま、コレは言い訳って言ってだなー。大人の世界には、自分の薬物中毒とか、浮気癖になんらかの文学的言い訳をつけたがる人種が居るって事だよー」
と解説するワシ。
「いっそ、『オレは薬物も浮気も大好きだー!』って言ってくれた方がサッパリするのにねーw」
と言いつつ大笑いする。