山麓日記帳

全ては消えゆく、雨の中の涙のように

成長したロックファンの物語「ハイ・フィディリティ」

暖かい朝、漁師のおばあちゃんが行商に来る。
本日は活き魚の鯛、丸ごと一体(巨大!)¥1000
半分刺身にして今日の夕飯に。残りの半身は明日塩焼きにする予定。

ボイちゃんと散歩。
友人二人に頼まれたピザシートを取りにパン屋さんへ。
薄くて酵母のイイ香りがして、カリカリに焼くと美味しいピザシート。
ワシはコレにチーズとフルーツを乗せて焼き、バルサミコ酢を振りかけて食べるのが好き。
ウチの朝食用注文分はブリオッシュとロールパン。
月曜日はこんな風に「今週の食材を買い集める日」でもある。
こんな事バッカしやっているから、半島生活が離れがたくなる。いやん。

午前中、「ドッグ・ショウ!」を観る。
普通、犬好きが犬好き相手に作る映画は「作品としてドーだろ?」という感じの「痛いモノ」が多いが、コレは犬好きにも犬嫌いにも受けるギャグ映画になっているトコロが偉かった。

奇妙でいてドコかしらココロ寂しい飼い主達は、ドッグ・ショウに出場し優勝することに血道を上げている。
その飼い主を取り巻く人たち(宿泊先のホテルの人とかドッグ・ショウの司会者)の妙に冷静で「困ったモンだ」という態度も笑える。
「ここにツッコミが欲しいなあ」と思うとすかさず突っ込んでくれる脚本の妙。

しかも細かくて意地が悪いタイプの笑いが多く、アルトマンやモンティ・パイソン系列映画(「ワンダとダイヤと優しい奴ら」とか)が好きな人なら楽しめそう。ワシは十分、楽しんだ。
脚本が気が利いているが、主演(主演か?)と監督&脚本は同一人物。
「ドッカで観た人だなあ」と思っていたら、アルトマンの「ニューヨーカーの青い鳥」(これも冷笑的ギャグ映画だった)に出てた人。
なんか、ナットク。

お昼には夕飯用のおでんを作り(月曜日は夕方忙しいので、お昼のウチに夕飯を作ってしまう事が多い)ながら「ハイ・フィデリティ」を観る。
何処かで見かけた知っているような人たちが続々出てくる映画。
同じタイプのダメ人間は日本中にもいそうだわ。
いわゆる「通のロックファン」必見映画。

コマーシャリズムを憎み、「この世ではカルトが一番エライ」と信じ、自分のお気に入りバンドをまるで信仰のように信じ崇拝する人にこそ観て貰いたい映画。
ワシは「ロックファンも成熟したモノよのぉ」と感心した。
ちゃんと世間に対してこんな申し開きが出来るくらいに成長したことに対して、単純に感心した。