山麓日記帳

全ては消えゆく、雨の中の涙のように

病気です

頭が痛くて、目が開けられない。
首の痛みが背中と肩と頭に拡大。
「もう、このまま死ぬ?」という位の頭痛。

「寝てなさい」とダンナに言われて、一日中コンコンと眠り続ける。
時々目覚めてはトイレに行ったり、水を飲んだり。
どうも、風邪も併発している様子。
口の中は粘つき、背中の痛みで寝返りもうてない。

こうなってくるとキモチはどんどん弱くなっちゃって、またポリープの手術に行かねばならないコトを思い出したりして気が滅入る。
毎年やってる簡単な手術なのだが、「イヤなものはイヤ」だ。やはり。
今週は陶芸の展示会で忙しいので、手術は来週以降になるが、「イヤなことはさっさと済ませたい」な。

ウツウツと布団の中で本を読む。
笙野頼子「母の発達」と「笙野頼子窯変短編集・時ノアゲアシ取り」
なんか、ものすごく感動。

自分の気持ちにブルーが入っているせいか、このスプラッタSFゾンビ変身母恋物語が身にしみる。
しかも、偶然図書館から借りてきたこの二冊の本はリンクしていて、「母の発達」の「完結編」が「時ノアゲアシ取り」の最後に併録されていた。

こちらの「完結編」では、様々な感情の葛藤や変身の末に「母」はのんびりと晴れた日に幸せそうな姿で登場するのだ。
ガンで実母を見送らなければならなかった笙野頼子本人の悲しい張り裂けるようなキモチが不意にダイレクトに伝わってきて、思わず泣く。
しかも、この物語の最期の10行(母は奇跡的に治癒し、回復に向かうという内容だったらしい)を書きながらも、熟考の末、削除した(しなければならなかった)笙野頼子の心。
その痛みが胸に刺さった。
笙野頼子を読んで泣いてるニンゲンは日本中で今、ワシ、一人かもな。

夜になると随分回復し、ダンナに指導しながら「おろしウドン」を作らせる。
せちたろーは「遊んで遊んで」とウルサイが、「ホントに具合が悪いの。ゴメンね」と言うと、肩を揉んでくれる。お前は優しいイイ子だね。
子鬼、見ると、パンツ一丁だし。しかも、顔にアイシャドウを塗りたくったらしく顔が真っ黒。
「お前はナニをしたんだい?」と聞くと、「にゃっこー(クルちゃん)にも(化粧)した!」と言う。
クルの背中にファンデーションが付いていた。

ワシが起きてきたので娘達大喜びで「見て見て!」と言いながら二人で縄跳びの実演を始める。
リビングでドスドス飛んでいるが、仕方ない。
「ああ、いいね。上手だね」と言う。