山麓日記帳

全ては消えゆく、雨の中の涙のように

「フェラーリ」おまけの話

映画「フェラーリ」を見てて、一番感心したのは、伝説の(という言い方は正しくないかも)大事故のシーンでした。

※ミッレ・ミリアの事故

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この悲劇的な事故の事は、「史実」としては知っていましたが。

まさかこの事故を綿密に検証して映画の中でワンショットで見せる映画監督が出てくるなんて夢にも思ってなかったので、映画館でワシはビックリしましたよ。

 

しかもこの事故シーンを入れることになった経緯が。

マイケル・マン監督が、イタリアでミッレ・ミリアの事故現場(マントヴァというゴールのボローニャまであと少しと言う距離にある村)を訪れて周囲をあれこれ見ていたらおじさんに話しかけられて。

なんとそのマン監督に話しかけてきたおじさんこそが、幼い頃、ミッレ・ミリアの大事故で観戦中にお兄さんを亡くした人だったんですね。

そのおじさんから事故の話を詳しく聞いて、この事故のシーンは描かれたようです。

 

この映画の中では、どうやって一般市民が13名も事故に巻き込まれ亡くなってしまうことになったのか?が描かれます。

これもう逃げ場のない、避けようのない悲劇で、映画「フェラーリ」では一旦公道レースで事故が起きてしまえば、レーサーも観客も巻き込まれた人は誰も助からないという、当時のレースの凄惨な一面が描かれます。

 

イタリアの街道沿いに住む平和な一家のある昼下がり。

「レースが来たよ!」の声に誘われて、ランチの途中に慌てて席を立ち、人気レーサーの勇姿をひと目見て応援しようと駆け出す地域の人達。

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地域住民の皆さんの応援の歓声は一瞬の事故で悲鳴となり、次の瞬間には即死状態の人たちの死体が道沿いのあちこちに横たわるというほとんどホラー映画かパニック映画みたいな描かれ方です(でも多分、本当にその通りだったんだと思う)

綿密な検証とリサーチによって描かれたこのシーン、本当にすごいよ。