山麓日記帳

全ては消えゆく、雨の中の涙のように

翻訳作業の大変さを覗き見る

というわけで。

友人宅では海を見ながらソファでゴロゴロ横になって(人様の家で)

水平線を右往左往するタンカーや客船、プレジャーボートを眺めつつ、あれやこれや話が尽きぬ女二人でありましたよ。

 

で、ここで、友人がおずおずと

「コレを見てもらえないかしら」と出力した紙を渡してきました。

昔、彼女とワシは組んで、某ヨーロッパのナショナルフラッグ企業の日本向け宣伝文の翻訳をまる一年間やってた事があるんですよ。

なので、翻訳作業に関しては、実はワシは頼りになる存在?らしいです。

 

「どれどれーー」と渡された紙を読んでみました。

著者の意向で「なるべく直訳で英語の原本と引き合わせて読むためのテキストとして翻訳してほしい」との事で。

まさにその通りの直訳日本語文が書かれておりました。

 

「なるほどなるほど」と原文の雰囲気を推察しながら、「目が引っかかる不自然な日本語」をチェックしつつ読んでいきます。

前後のつながりをただして、日本語として読みやすい、平易な文章にするにはワシがちょっと手を入れるくらいで随分と読みやすく、意味もわかりやすいものになった気がしました。

 

友人は「ああ!私が求めてたものはこれなのよ!!」と立ち上がって力説します。

「お役に立てたなら良かった」とか言ってたんですが。

この翻訳作業の困ったところは、実はこの翻訳作業はボランティアで行われて。

今のところ、英語版とイタリア語版がリリースされているのですが、全30ヵ国語に翻訳予定なんだそうです。

 

「…全部ボランティアでやるの?それって翻訳の精度はちゃんと担保されてるの??」とか聞いてたらですね。

この日本語訳に関してだけでも、某地方都市の某学者さんが参加してて。

その学者さん(女性)が送ってくる翻訳の添削が凄まじくて、友人はその波状攻撃を受け続けてすっかりしょげかえって弱っておりました。

 

確かに送られてきた添削を見ると、友人がその学者さん(女性)から軽く見られている?大切にされてない様子がひしひしと伝わってきてワシまで辛くなりました。

しかも読み勧めていくと、その章の終わりにはトンデモナイ驚くべき事実が書かれてまして。

ワシはびっくりするやらおかしいやらでゲラゲラ笑いながらソファに突っ伏してしまったのですが。

 

なんとその学者さんと友人のやり取りの中では「誰も笑わなかった」んですって。

もしかして…ここにこんな面白いことが書かれているって翻訳しながら誰も気が付かなかったのかもしれないですね。

そこまで緊張みなぎる翻訳現場であったと…