山麓日記帳

全ては消えゆく、雨の中の涙のように

ぼくのエリ 200歳の少女

これはすごい映画ですね。
基本、孤独ないじめられっ子の少年オスカー(12歳)と、浮浪児っぽいエキゾチックな少女(中東あたりの子??)エリが出会い、恋に落ちるお話なのですが。



バンパイアが主人公のホラー映画であり、しかも恋愛映画の要素も強い。
少年少女の恋。中年男女の恋。中年オトコと12歳の少女の恋(つーかほぼ長年連れ添った夫婦みたいな感じ?)
いろいろな形の恋物語も見られます。

暴力や殺人、ありとあらゆるタブーをぶっ壊しつつこの物語は進みます。
スウェーデン映画恐るべし!

なんせ、この200歳のバンパイアを演じる少女子役が凄いのです。
少女だけど、大人の女であり老婆でもある。
純白でありながら老獪さも併せ持つみたいな雰囲気がとても独特です。

自分に仕える男性を愛しもするが最後は安らかな死の為に捕食対象にすらしてしまう。
なんという究極の愛。
こんな複雑な役をちゃんと見事にこなしてみせる。
そしてヌードさえも辞さないというこの根性!

カットがちょっと不親切?で場面つなぎに言葉足らずなシーンも多いのですが、全体に漂う1970年代後半のスウェーデンの冬の空気感が素晴らしくて引き込まれます。
「そうそう!当時ってこんな感じだった!!」<ほら、知っているから、ワシ…w

この透明で静謐でありながら、猛々しい雰囲気はやっぱりスウェーデンの映画独特の感じですね!(褒めてます)
吸血鬼映画の名作が北欧から堂々登場。

しかし、残念無念な点が一点。
実は肝心なシーンでぼかしが入るのですが、このぼかしのせいで映画がヒドイことに( ;∀;)

エリがセリフの中で「だって、女の子じゃないもん」と何度も言うのですが。
ワシはてっきりそれは「ニンゲンじゃないよ」って意味の告白だと思っていたら。
なんとそのぼかしのシーンの真実は、「エリの去勢手術の跡とおぼしき十文字型に縫い合わされた股間の手術跡が大写しになる」ってことらしいのです(そのシーンはネットで見られます<ぐぐったら二番目とか三番目とかに)

なんだそりゃーーヽ(`Д´)ノウワァァァン!

ロリペドのためのサービスカットとか思ったら、物語のすごく重要な部分じゃん!!
エリがどんな経緯で去勢手術を受け、バンパイアになったのか?想像がひろがりんぐであります。
非常に余韻を含んだ終わり方もグー(`・ω・´)bでありますよ。