山麓日記帳

全ては消えゆく、雨の中の涙のように

入院ライフ 二日目(手術日)

8月3日(水曜日)

朝から家族がやって来て、心配そうにワシの周囲をウロウロしている。
全身麻酔の手術なので、家族は手術の間、待合室で待ってなければならないのだ(急変に備えるため)

点滴を始めて時間となり、シュウコちゃん先生に伴われて手術室へ歩いて移動
エレベーターに乗って手術室がある3階に移動し、手術室の入り口の自動ドアのところで家族に手を振って「イッテキマス」と言って別れる。

ポチコロコロ(点滴スタンド)を転がして手術準備室に入ると麻酔医、担当医、執刀医、研修医(シュウコちゃん)勢揃い。
軽く説明を受けて、手術室へ歩いてw入室。

「うっ、想像以上に広い…」
が、手術室の素直な感想。
真ん中に手術台が置かれており、「登ってください」と言われw
「よっこらしょう」とよじ登る(結構高さがある)
物凄い照明が頭上にぶら下がっている。

黒いシート張りの細っこい手術台に仰向けになると、腕を乗せる台が運ばれて来て、
「ココに腕を乗せてください」と言われる。
腕を乗せるとパンツを脱がされて、
「じゃあ、点滴に麻酔を入れていきますね」と麻酔医の声がしたけど、なかなか眠くならない。

「うーん、腕の先がしびれた感じはするけど、眠くならないな」
と思ったきり、意識消失………
……














「サイトーさん、手術が終わりましたよ!起きてください!!」
と声がして目が覚めた。

と、思った途端に「じゃあ、挿管を抜きますね!」の声がして、気管に入ってた酸素チューブを引き抜かれる。
「おわわわ」と驚くまもなく、手術台からベッドに移されてそのままベッドごと手術室の外に出される。
ぼんやりした意識の中で、家族の顔を見る。
みんな心配そう。

夫が「取る範囲が思ったより広くて、5時間近くかかったんだよ」と教えてくれた。
心配かけて、ゴメンね(´;ω;`)

そのまま入院してた7階に運ばれて、ICUで一晩過ごすことになる。

脚には血栓防止の静脈瘤対策の靴下を履いた上に、空気で圧縮を繰り返す装置を両足分つけているし。
脳波、心電図モニターがついたまま、血圧を自動的に測る装置もついてて、指先には酸素量を測るモニターが挟まってて。
導尿カテーテルに点滴も刺さってて。
ワシ、全身、これ、チューブとラインだらけ。

「唇に違和感があるな」
と思ったら、挿管したときに唇を傷つけたらしく、上唇が腫れ上がっていた。
娘ズは不安そうにワシの顔を覗き込んでくるので、「思ったほど痛くないぉ」と言う。
本当に一番痛いのは、手術の後でもなく。
寝返りを打てない腰と、15分おきに自動で測って来ては左腕を絞り上げてくる血圧計の方が断然痛いのだ。

「う、早くこの装置どもから解放されたい!」と思うが、このICU
様々な人が一緒くたに入れられているもんだから、一晩中、一時間おきに、

こかどこなーー!?」(博多弁で「ここはどこですか?」の意味)の雄叫びを上げる爺さんとか。
「ごめん、サイトーさんワタシ、ナースコールが押せない。私の代わりに押して!」と懇願してくるとなりのベッドのオバに悩まされつつの恐怖の一夜となってしまうのだった(苦笑)

なので、明け方に腕の血圧計が15分おきから30分おき、1時間おきになった時は心底、物凄い開放感がありましたね、お陰さまで(ーー;