山麓日記帳

全ては消えゆく、雨の中の涙のように

母校が消滅するかもしれない日

詳しい経緯はよく知らないのですが。
どうやら母校が存続の危機らしいです。

母校って熊本の熊本県立第二高校の美術科なんですけど。
なんだかそこが無くなってしまうかもしれない__とネット上で読みました。
「え?ナンデ?社会の役に立たない人間を毎年輩出しているから!?」
と咄嗟に思ってしまうワシ。
まあ、ワシがそうだからって他の卒業生までひとくくりにしてしまうのは乱暴ですが。

たった一クラス、40人の為に莫大な予算をかけるという事が出来なくなってきたって事なのかもしれません。
社会にはもうアートを養う隙間は無くなってきてます。
当然、その波も教育の場にまで及んできたって事でしょうか?

本当の理由がなんなのか?は、実はよくわからないのですが。
もしかしたら進学率の問題なのでしょうか?
もともと第二高校は進学校で、殆んどの生徒が大学に行くよな高校だった訳で。
美術科も東京芸大への進学率は全国2位とかの時代もあったようですが。
去年は芸大合格者が0だったみたいで…
もしかしたらこの事と深い関係があるのかもしれませんね。

熊本という土地は、自分が外に出て初めて分かった事ですが。
とっても見栄っ張りでw
芸術や文化のためなら一肌脱ごうじゃないか!という気質があるように思います。
それは、「九州王国の文化と政治の中心地はココ、熊本である」という強烈な中華思想によって成り立っていると思われますがw

それが、アートの庇護者としての熊本人のプライドの根拠であると感じますね。
「教育にふんだんにお金をかける」「社会に役に立たない人間を育てることに意義がある」
そんな意志を、通っている当時にヒシヒシと感じましたね。

それは美術科を創立した中根先生という日本画の先生の教育理念でもあった気がします。
敗戦の日、焼け野原になった熊本の町で、「なんでこんな事になった?」「こんな日が二度と来ないためにも、社会の言う事になんか耳を貸さずに自分のモラルにのみしたがって、自由闊達に生きる人間を作る教育を自分はするべきではないのか?」と決心した__という話を中根先生ご本人から直接聞いたことがあります。

卒業生はファインアートに携わる人、教育者になった人、デザイン業界に行った人、CGデジタルの世界に行った人、ワシみたいに家庭に入った人とそれぞれですが。
母校が無くなったら寂しがると思うよ。