山麓日記帳

全ては消えゆく、雨の中の涙のように

外国のファンにも愛される谷垣

そういえば、今週のアニメの「ゴールデンカムイ」は盛りだくさん過ぎて息切れしそうな内容でしたね。
それでもやっぱり、杉元と梅ちゃん(故郷にいる初恋の人 杉元の幼馴染と結婚したが旅順攻略で夫をなくし、コブ付きの戦争未亡人になっている)のエピソードをごっそり削っているので「杉元の心が帰ってきてないことの悲劇性」が薄いですなあ。残念無念。
これでは「殺人マシーンとして優秀」という一側面しか描かれない気がするのですが…

この物語は基本、色んな人達がそれぞれの思いがあって黄金を巡って争奪戦する話なんですけど。
ある意味、戦争で人間性を無くした男たちが、あるものは未だに旅順で心がさまよい続けてたり、元の人格とは別人になってしまってたりしてて。でも、どうかするとうっかり人間性を取り戻してしまったりする話なんですよね。
この個人差が面白い。

この回ではマタギの谷垣が、自分が生命を狙われていることに気がついて、アイヌのコタン(村)にこれ以上、迷惑はかけられないと出ていく決心をするのですが、幼いオソマちゃん(主人公アシリパさんの従姉妹 実は谷垣に恋心を抱いている)と(アシリパさんの)おばあちゃんに別れを告げようとして思わず泣いてしまうシーンが有るんですが。
ここで完全に谷垣は自分の人間性を取り戻してしまうんですね。すごく重要なシーン。
この出来事以降、「セクシーなかっこいいマタギ」はその影を潜めて、どんどん「ドジっ子ヒモマタギ」になってしまうのですが…
このシーンはちゃんと描けてましたね。そこは良かった。

それと惜しかったのは、杉元が海に飛び込むために全裸になったシーン。
アシリパさん、見ないでッ!!」と杉元がたまにこうなってしまう女言葉っぽい雰囲気で叫ぶシーンが有るのですが。
これがまるっとないのが残念無念。
このシーンは後々、チン○先生との会話で出てくるので(しかもアシリパさん思い出して半笑い)大事なんですけどねw

海外ファンが「アシリパさんは恥じらわないの!?」とびっくりしてましたが。
そうなのよ、恥じらっているのは不死身の杉元だけで、アシリパさんは両目開いてしっかりと杉元の全裸を観察するんですよね(そして後々半笑いの対象にする)
実は「杉元の中身は乙女」と言われるゆえんがココにあるのになあ…大事なシーンなんだけどなあ…
殺人マシーンとして躊躇なく人を殺すのに、実はとても清らかで「乙女」とも言えるような心の持ち主で、かなり善良な人間でお人好し。その杉元の複雑さが面白いのにねえ…

あと、変態の辺見ちゃんとのシーンは結構描けてましたね。
「これはブロマンス(brotherとromanceをあわせた最近の英語の造語。ロマンチックなホモセクシャルな雰囲気を指すらしい言葉)じゃないか!!」と海外ファンもちゃんと気がつけてましたねw
股間が金色に輝くシーン」も大喜びされてて、「ゴールデン勃起」とか言われてて爆笑。

アニメ本編の最終シーン、谷垣がかっこいい決意をにじませる場面では思わず海外ファンは拍手喝采でしたぜ。
「彼には死んでほしくない。谷垣が好きだ」とまで言われてました。
実はワシ、登場人物の中で谷垣が一番好きなんですがw
犬や女子供に絶大な人気?を誇り、真面目で優しい性格(ゆえに騙されて恥ずかしい写真を取られたりする)
野田先生にも贔屓されている気がします(わざわざ単行本用に肉体をムチムチに書き換えられたり胸毛をフワッフワに手直しされたり…)