山麓日記帳

全ては消えゆく、雨の中の涙のように

「11・25自決の日 三島由紀夫と若者たち」

本当はポール・シュレイダー監督の問題作、「ミシマ:ア・ライフ・イン・フォー・チャプターズ」が見たかったのですが、無かったので(^_^;)
「11・25自決の日 三島由紀夫と若者たち」(井浦新 若松孝二監督 2012年日本)を見てみました。

…なんと言うかw
最初の方はあまりにも演出が「悪い意味で」昭和で。「当時の仮面ライダーでも見ている気がする」と思いつつ見てましたが。
東大のバリケード内での三島と学生たちの論争シーンは当時の雰囲気とか空気がよく出てて感心しました(何故上から)
「当時をよく知っている人は強いなあ」と思いつつ、途中で投げ出すかと思いきや、最後まで見ちゃいました(^_^;)

なんでしょうなあ…当時の子供ながらに事件を知って、「ばかばかしい」と感じた気分も思い出して、割と冷笑的に見てしまいましたが…
映画の中では三島の思想とか、そういうのはあまり強くアピールはされず、むしろ淡々と描かれてます。
なので、「楯の会」を結成したり、美青年を侍らせて軍隊ごっことかコスプレまつり状態を楽しんでいる様子が「やっぱり変なの」という印象にどうしてもなってしまう気がします。
なんだか自分を持て余している気配がする三島夫人の描き方も。「この奥さん、いつ全裸になるんだろう?」的な不穏な空気を漂わせてて(寺島しのぶのせいかしら?)
全体的にその演出のせいもあって、「昔の成人映画みたい」な印象を持ちます(でも当然、成人映画ではないのでそんなシーンは出てきません)

「そっかー。見たかったのは三島と楯の会のみなさんのすったもんだだったのになー」(´・ω・`)←あくまでゲスな興味
そして三島がやりたかった事が(軍隊ごっこ以外)最後までなんだかよく伝わらなくて(ワシが悪い?)もやもやした終わり方と言い「なんだかなー」な出来でした。
お能のシーンでは腹抱えて笑ってしまいました。まさか主人公三島は死を決意して、楯の会のメンバーの前で大真面目にお能を舞うシーンで大笑いしてしまうとは。
だってものすごく滑稽だったんですもの…ちなみに満島真之介切腹シーンも大笑いでした。


※予告編は面白そうだな…いや、抱腹絶倒シーンはあちこちにあるんで面白いっちゃあ面白いんだけど()

やっぱり遺族が生きているうちは奥歯に物が挟まったようにしか描けないものなのかもね(´・ω・`)