山麓日記帳

全ては消えゆく、雨の中の涙のように

太陽の帝国

お休みの日はせっせとHD内録画物件の消化につとめまする。
丁度、数日前にこの映画の話題が出てたので見てみますか(´ω`)
本日のお題は「太陽の帝国」スティーブン・スピルバーグ監督 1987年)でございます。

伊武雅刀ガッツ石松、座布団運びの山田くんなどなど、日本人俳優も出演しているこの作品。
この時代の作品で日本人を取り扱っててまともな作品て殆ど見たことがないので、公開当時、ハナからあまり見る気がなかった…のが正直な話しでありまして。

「まあ、見てみますか」
と見始めてビックリw(°O°)w

この映画、全然スピルバーグ作品らしくない。
いや、「子供がとんでもない目にあって、延々と地獄めぐりをする」って部分ではすごくスピルバーグ作品(みんなー「A.I.」の事もたまには思い出してあげてーーー)なんですが(苦笑)

上海のイギリス租界の雰囲気とか。
当時、イギリス以外に住んでいたイギリス人の様子とか。
当時の風習、立ち振舞、物の言い方などなど、とてもよく再現出来てて、「わ。まるで文芸大作みたい!」と思いつつ見ておりました。

ソコにノイズのように挿入されるジョン・マルコヴィッチの存在感の心地良いこと。
子供時代のクリスチャン・ベールのイノセントなこと。
子供なのに顔がクリスチャン・ベール(当然ですが)
クリスチャン・ベール大好き(※「中の人」はアレレですが、「演技者としての彼」が大好物なんですワシ)としてはとても嬉しい発見でした(演技もすごい。子供なのに)

見終わって感じたことは、「これって『戦場のピアニスト』に似ている」って事でした。
主人公が無力で戦争に翻弄されて、さんざん地獄めぐりをしながらもなんとか生き延びてゆこうとするお話
ほら、話しの大筋を書いてみたら両者に区別はつかないぞ?(強引)

戦場のピアニスト」にアレだけアカデミー賞をくれてやるんだったら、この「太陽の帝国」にもくれてやってもよかろーもん?
が見終わっての第一印象でした。

スピルバーグにしては大げさな表現も抑え目で。
大見得を切ったような演出も少なく。
とても地道に静かな筆致で少年の地獄めぐりを描いているのにとても好感を持ちました。

収容所に入れば入ったで、それなりに生きてゆく方法を身に付ける少年。
少年が強烈なあこがれを抱くゼロ戦とそれに乗るパイロットたち。
日本兵と少年のかすかな気持ちの交流。

海外の作品にしては、日本兵の描き方がまだマシというか。
結構正しい方なんじゃないでしょうか。そこにも好感を持ちました。

スピルバーグ作品で一番好きかもー。