山麓日記帳

全ては消えゆく、雨の中の涙のように

謎の黄色い生物 2

その無くなりかけの道をかき分けかき分け、ボイスに曳かれて上ると次女は、
「やだー、怖いー。行くのをやめようよー。見間違えかもしれないからもういいよー」
と弱音を吐きつつ着いてくる。
「えー、だってお母さんも見たいじゃん、黄色いモコモコの生き物!」
と言うと、次女、
「だって頭の上に耳着いていたよ?どう見ても着ぐるみや人間じゃなかったよ?」
などと恐ろしいことを言う。

そんな、
・全身黄色い毛並みで
・所々に焦げ茶色のマダラ模様がついてて
・頭の上に耳が二個、ピンと立ってついてて
・鼻先が犬みたいににゅーと突き出ていて
・二足歩行で両足でピョンピョン跳びはねながら移動する
なーんて。
そんなほ乳類、母は人生48年間、一度もテレビですら見たこと無いんですがー!?
そんな生き物が本当に居たら面白いじゃん。
そんな生き物を生で間近に拝めるなんて、凄いチャンスだわ!

って思うんだけど。
次女、本気で怯えているし(??;

「そっち行くのやめようよ、そっちに居たら怖いし」と言いつつ物陰に隠れながらワシの背後をコソコソついてくる。
ボイスは山に充ち満ちたイノシシの匂いに大興奮。

「母ちゃん!イノシシはこっちですぜ!!」
とワシをぐいぐい引っ張りながら、山の奥へと連れていこうとします。
「いやいや、イノシシじゃないと思うから。それ以外の変わった匂いは無いか?」
とボイスに聞きますが、ボイス、
「かーっ!イノシシのヤロー、ついさっきこの穴堀りやがったな!もう許さねえ!オレが食ってやるー!!」
と、全然人の話を聞いてない(??;;

とりあえず、次女が見かけた方面(砂防ダム方向)目指して山道を登り始めます。
まず、一番この場面で遭遇して恐ろしいのはイノシシなので、
「イノシシー、来るなー!来ないでー!!」と声を掛けながら(^^;山奥を目指します。

すると、山は雪のせいか?
異様なまでに静まりかえっていて、鳥の声ひとつすらしません。
イノシシの気配も無く、ハンターの気配すらありません。

「あれ?なんか、山の中がイヤな感じ??」
と気がついて、次女に、
「もうこれくらいにしておいて、散歩に行こう」と提案するワシ。