山麓日記帳

全ては消えゆく、雨の中の涙のように

謎の黄色い生物 1

昨日、雪がチラチラ降る中。「そろそろボイスの散歩に行くか」と玄関の中でリードを出したりウィンドブレイカーを着込んだりして準備をしていたら、次女が玄関の外で何かやっていた?と思ったら、ボンヤリした表情で家の中に戻ってきて、

「今、カンガルーみたいな生き物がそこの坂を上っていった」

とワシに言った。
山の上に上っていく道は、ウチの前で行き止まりになっている道と、もう一本南側の、車で砂防ダムまで上れる道の2本がある。

「え?どっちの道にカンガルーがいたって?」
と聞き返すと、次女曰く、
「かおりちゃんちの前の道」
と次女。

「かおりちゃんちの前の道」はウチの敷地前で行き止まりになっている道と平行して走っている南側の道の事で、時々、山奥に林業の作業に行く人とかイノシシ猟に行く人とか、砂防ダムの手入れに行く人が車で上っていく事があるくらいで、それ以外に上っていく人なんてウチくらいしか無い。

なので。
「歩いて上っていく人」なんてウチ以外にこの十数年間、ワシは一度として見たこともない。
(四輪駆動車でギリギリ上れるくらいの急傾斜の道)

「かおりちゃんちの前の道を歩いて上る人なんて珍しい」
とワシが言うと、次女が、
「人じゃないって。なんか変な生き物だったよ」
と主張する。

「なんだって?誰か着ぐるみみたいなのを着た人が歩いていたんじゃないの?」
とワシが言うと、
「だって、耳が生えてて鼻先が犬みたいに突き出てたもん」
と次女。

「?」
この子は一体、何を言い出すんだろう?昼前(午前10時過ぎ)なのに夢でも見たのか??__と思っていたら、次女が更に、

「大きさはカンガルーぐらいで、でも全身の毛の色がまっ黄っ黄ーで、そこに焦げ茶色で迷彩柄みたいな模様が入ってたよ。その生き物が両足をそろえて、ぴょんぴょんって飛び跳ねながら、かおりちゃんちの方から山の上に向かって上っていったよ」
と言うのだ。

(??;

「ちょっとその生き物を探しに行こうか」
とボイスを連れて、次女とそのまま家の前の行き止まりの道の先(車は通れないが人なら上れる作業用の道なら続いている)を上る。

久しぶりに上ったら、イノシシが掘り返した穴だらけで惨憺たる里山の現状。
道すらなくなりかけていた。

この話、明日に続く。