山麓日記帳

全ては消えゆく、雨の中の涙のように

Let's see, if that's true or not

ダンナが夕飯後、
「今からレンタルDVDを返しに行かなければ」と言い出す。
「え?今から?」(夕飯後に出かけるのはマンドクサいワシ)
すると、長女(既にパジャマに着替えていた)が、
「え?ワタシも行きたいんだけど、パジャマ…」と情けない表情をする。

ダンナ、すかさずそれを見て、
「じゃあ、オマエが着替えて、一人で自転車に乗ってレンタル屋に行ってDVDを返してこい」と長女に言うorz
「うわ!ヤメテ!!夜に●●橋を渡るのだけは勘弁してよ!」と長女、怯える。

この●●橋というのはウチの近所の入り江を跨ぐ長い橋で、とにかく交通事故が多くて死人が沢山出ている場所である。
昔から因縁めいた話しが多く、その昔、この橋を架ける際に、「人柱」が立ったという伝説があるし、「未だに幽霊が出る」とイカニモな話しが囁かれる有名な心霊スポットでもある。

怯える長女を見ていたらなんだか面白くなってきちゃって(ワシ)、ついつい、長女を脅かす事に専念してしまうのだった↓

「あのさ、あの人気の無い橋に夜、さしかかったらさあ、橋のたもとに白いワンピース着た髪の長い女が俯いて立ってたりしてさあ」
「んでもって、よーく見ると、その女、裸足でさあ、つま先とか指先が妙に黒ずんでて汚れているんだよ」
「で、『アレ?』と思って近づいて、その女の顔をよくよく見たら、顔の上半分は影になってて全然表情が読めなくってねえ」
「『え?泣いているのかな?何かトラブルでも??』と思って、更に近づいて、その女の顔を見たらさ??、ふぁっはっはっは!!!」

「なんと、女の口が全開で開いてて、炭でも口に頬張っているみたいに、黒々とした闇が覗いているダケなんだよっ!!んでもって、一本の歯すら見えねえの!とにかく黒々とした闇そのものが、その女の口の奥に広がっているんだよ!!ぎゃははははは」(ワシ、暴走中)

それを聞いていた次女(8才)が、突然ワシにしがみついてきて、
「イーヤーダーーー!!そんなのが居たら、イーヤーダーアーー!!!」と叫ぶ。

ワシ、もう断然この状態が面白くなってきちゃったので、
「オッケーイ、バスターズ、確かめに行こうぜ!」と言ってみる。
長女、爆笑。
一緒に「Let's see, if that's true or not」と歌う。

家族全員でその橋を渡ってレンタル店に返しに行ったけど、勿論、そんな女は立ってなかった。