山麓日記帳

全ては消えゆく、雨の中の涙のように

泣かないギターソロ 2

いままでのあらすじ=という訳で、「泣かないギターが好きだった少女」は、長じて「泣かないギターが好きなオバサン」に進化した。

その「ストレンジカメレオン」のカラオケでのギターソロが泣いているのに気がついて、その瞬間はすごくビックリしたんですけど、まあ、考えてみれば、
「ココで泣くのは至極当たり前か?」とも思ったんですね。

コレは自分の居場所が見つからない、何処に行っても居心地の悪さを感じる。環境に馴染めない青年の失恋の歌でして。
最後は彼女に感謝しながら別れを告げるという、「陰鬱なラブソング」ですね。
こりゃあ、普通は「ギターは泣き」ます。
泣いたほうが(表現として)楽だもん。

最初、CDでこの曲を聴いた時は、「うわ、ウツ」と思って、「なんか泣き言っぽくて苦手かも」と思っていたんですね。
でもライブでこの曲を聴いた時、「汚れた川を汚れた僕と泳ぐ」という歌詞が突然、胸に刺さって、ホントにワシ、涙が「ぴゅ?」と出たんですよ。冗談みたいですが。
「ぴゅ?っと吹くジャガー」?って感じ。

次の瞬間にこの歌の本質が判ったんですね。
コレは泣き言の歌じゃなくて、「世間とは相いれられない自分だが、もう自分は自分として生きてゆく」という「決意の歌」だったんですね。
「あ、そう言えば、この曲でもギターは全然泣いてなかったな」と気がついた(今更)

で、思い出したもう一つ。
ピロウズを代表する曲「ハイブリッドレインボウ」(斑霓)もギターソロが泣いてないのが「好きになったキッカケ」でしたな。

コレも「毎日毎日忘れ去られて惨め(?)な自分だが、こんな自分にも明日はやって来る。虹_希望も滲んでよく見えないし、他に何も持って無くても明日という日は持っているじゃないか。虹_希望は自分の中で感じる事が出来る」という歌でして。
最初聴いた時は、「うわ、なんて悲しい歌」と思いましたが、この曲のギターソロで「ガツーーン」と来ました。

「この歌にこのギターソロを載せますか!?」みたいな感じで。コレは衝撃でしたなあ。
勿論悲しみは底にありますが、泣かない。歯を食いしばって泣かない。
むしろ外へ外へと開かれるように、鳥が羽ばたいて空へ飛び立つような力強いフレーズでソロが奏でられます。

「あ、そうか!このギタリストは意識的に泣かないんだ!!」と気がついた瞬間でした。
そして同時に「これは希望の歌だ」と知った瞬間でした。