山麓日記帳

全ては消えゆく、雨の中の涙のように

「王様になれ」二度目

と、言うわけで。
福岡では10月3日に上映が終わってしまう映画「王様になれ」
「終わる前にもう一回行こうぜ」って事で弐号機と出かけてきましたー\(^o^)/

二度目に見るとまた色々発見があって面白かったですね。
弐号機は何度もスクリーンを見ながら泣いてました。

気がついた部分を忘れないうちに書いておこうっと(゚∀゚)↓

・祐介が仕事を任される事になり、呆然と不安そうに街をさまよい歩くシーン
「あれ?このシークエンス、ものすごい既視感があるな。なんだっけ??」と思ったら、次のショットで、
「ビルとビルの隙間からのカメラアングルに呆然と佇む祐介の全身ショット〜祐介の背後を通り過ぎる黒塗りのタクシーのシルエット」
が出てきて、「ああ!」と気が付きました。
「そうだ、コレは『ハイブリッド・レインボウ』のロンドンで撮影されたPVをそのままなぞっているのだ!!」とね。

あと、「ふたりの丘」のシーンも、PV「僕らのハレー彗星」(ロンドン郊外の丘?公園?で撮影された旧版の方)を思い起こさせる少しオレンジがかったメランコリックで美しい撮影が存分に堪能できます。
この丘の上は「二人だけの世界」であるし、今にも光の中に吸い込まれて消えそうに見えるゆかりの姿は、彼女の存在のあやふやさ、それこそ、生と死の間を漂う儚げな雰囲気がとても良く出てて。それは物語のクライマックスのシーンとも呼応してて。
まさにこれは「妹(いも)の力in日本映画」という日本映画伝統の、日本映画が戦前から連綿と描いてきた「日本人が描く愛の物語」の復権に他ならないのです。
※「河内山宗俊」(1936年)や「山椒大夫」(1954年)が代表的な「妹の力映画」だと思ってます

「まさか、令和になって日本映画の正統を見せつけられるとは!!」ここに一番感動しましたね。

それとやっぱり、ものすごいぞ、岡山天音くんの演技!!
もうこのオクイシュージ監督脚本と岡山天音くんのタッグがコレ一本きりとかもったいないよー!
これは是非ともジャン=ピエール・レオフランソワ・トリュフォーのタッグみたいに、一人の俳優を色んな年代に渡って長く主人公として取り続けて、様々な魅力を映画として残してほしい!と心から思いましたね。
※フランスの俳優ジャン=ピエール・レオはそのデビュー作以来、何度もフランソワ・トリュフォー監督の映画に主人公として出演している

いやあ、本当に素晴らしい映画だわ。
Blu-ray出たら買うわ。
それとなんでサントラにはシュリスペイロフ宮本(「六角精児似)の弾き語り版「のぼらない太陽」が収録されてないのかしらああああああ(不満)