山麓日記帳

全ては消えゆく、雨の中の涙のように

WOWOW映画地獄変

貧乏性なんで、契約したWOWOWにて、映画をやってたらとりあえず録画して見てます。
…でも面白い映画はあまりやってませんなあ…
見たのは以下三本。

「ラ・ラ・ランド」(2016年 アメリカ アカデミー賞では、監督賞、主演女優賞(エマ・ストーン)、撮影賞、作曲賞 、歌曲賞(『シティ・オブ・スターズ』City Of Stars)、美術賞の6部門を受賞)

なんかもう圧倒的に作風が「ワシに合いませんでした」
この一言に尽きまする。
もともと、ジャック・ドゥミ(「シェルブールの雨傘」「ロシュフォールの恋人たち」)的なシネマスコープの圧倒的画面の悦楽と華麗な音楽、きらびやかなアレンジと夢見るようなダンスを期待してたのが大間違いだったようです。
そう、そしてジャック・ドゥミ的なるものの最大の特徴は「愛の不在」なんですよ。
だからこそ、ロマンチックな世界観、宝塚的な価値観がこれでもかとぶち込まれているのに、深い感銘を受けちゃうんですよね。
「人間って…あああ」と涙が流せるのです。

えー。「ラ・ラ・ランド」にはそんな奥行きは一切ございません。
「セッション」での共犯めいた不気味な異常愛ストーリーもありません。
ただ、ここにあるのは主人公が腐乱死体にならない世界線の「マルホランド・ドライブ」ってモノだけです。
本当につまらん。お前の映画はつまらん!!!

「ムーンライト」(2016年 アメリカ アカデミー賞では作品賞、助演男優賞(マハーシャラ・アリ)、脚色賞を受賞)

なんか一昔前のBLコミックで見たような気がする物語です。
「日本じゃこんなのは女性の基礎教養のうちなのに…アメリカ…フフフ」と何故か笑えてくるお話です。
多分、この世界観を世界で一番理解してくれるのは日本女性な気がします。
でも、そーれーだーけーーーー。

「プレシャス」(2009年 アメリカ アカデミー賞では、脚色賞・助演女優賞を受賞)

今回見た、三本の中で一番「映画的に面白かった」ですよ。
産婦人科のイケメン看護師としてレニー・クラヴィッツが出てて、作中で女子高校生らに「お兄さん、イケメンー」とワーキャー言われてます(そしてその役割が実にしっくり来る)
お話としても面白い、実際にこんな話がいっぱい満ちているのが「アメリ現代社会」なんでしょうけど。

…日本人からすると。
「うーん、知的障害の有る三才の頃から父親に性的虐待を受け続けた黒人女性、しかも高校生なのに二人の子持ちで内ひとりは障害を持つ子供ねえ…ごめん、ワシからは何も出来ないや…」
という感想しかなくてすまん…