山麓日記帳

全ては消えゆく、雨の中の涙のように

「白い肌の異常な夜」

お仕事が連休で他にやることもないと録画消化につとめておりますw
さて、本日のお題は「白い肌の異常な夜」(1971年 ドン・シーゲル監督)

テレビで放映してたのを中学生の時と大学生くらいの時?に見た記憶がある(中学生の時は普通に夜9時から放映されたナントカロードショーみたいなので、二度目の時は深夜映画だったと思う)のですが。
アメリカの南部で北軍の兵士が女学校にとらわれてひどい目に遭う映画」
という印象しか残ってなかったので再見してみました。

さて。

この映画、ぐぐってみたら初回オンエア時には『水曜ロードショー/セックスパニック 白い肌の異常な夜』てタイトルだったんですねw
すごい、すごすぎるw
そして確かに再見してみれば、そんな部分も「ある」映画でしたw

ワシがすごーく引っかかったのは。
映画の冒頭シーンで幼いエミリーが森にきのこ狩りに出掛けて。そこでイーストウッド扮する北軍の負傷兵を見つけるんですね。
「幼い少女がきのこ狩りてwなんの暗喩ww」
と笑ってたのですが、実はこの物語自体が、「男を去勢し囚われの身にする」というテーマなんで、この冒頭シーンこそ、この映画を象徴するものだったんですね。

ワシは今、初めてドン・シーゲルの才能を感じました←

とにかくこの映画、イーストウッドが女達を

こまして

こまして!

こましまくる!!!

映画なんですね(^_^;)
ドン・シーゲル、ナイス、キャスティング!(‘-^ )b←

そして注目すべきは、この女学校の女達、みんな裸足なんですね。
おそらく、20世紀の半ば頃までは欧米圏では「裸足=みだら」の象徴だったんですよ。
このお上品さをうたい、神に仕え、立派なレディーになる事を教育方針としている女学校で、全員裸足!?靴はないの??
と驚いたのが最初の印象でしたが、確かに物語が進んでみれば。
こいつらとんでもないビッチ揃いで、肉欲が渦巻く世界なんですねw

傷ついた小鳥だと思って保護した男が実は超肉食系で。
その手練手管に翻弄されて女達の欲望が次々に目覚めていきます。
その嫉妬と欲望の渦巻く世界の果て、たらし男の行き着く運命とは?というサイコスリラーな映画でした。

若いころに見た時は「あーあ、イーストウッドがひどい目にあっているw」「おー、こわいこわい」と半笑いで見てたはずなんですけど。
初老になった今、改めて見ると、なんとも恐ろしい映画でした。
女性ってこんな部分があるんですよね。

好きな男を飼い殺しにしておきたい。
自分の手のひらでいつでも握りつぶせる小鳥にしておきたい、みたいな。
増村保造の「妻は告白する」も同じテーマだったように思います。

ドン・シーゲル作品で、ワシは初めて感動しました!ヽ(・ω・)ノ←

※追記
原題「Les Proies」はフランス語で「騙し」という意味なんですね。
フランスの気風が残る古い土地で、北(ニューヨーク?)からやってきた若者が女達を翻弄して騙したつもり_な話なのかな?