山麓日記帳

全ては消えゆく、雨の中の涙のように

二枚のベスト盤を斬る!その5

そしていよいよ最後の曲「Swanky Street」ですよ。
ワシ、この曲も最初嫌いで<ゴルァ(▼皿▼)
(しかも聴いた状況が良くなかった。アルバムでちゃんと聴けば良かったのに、ベスト盤で聴いたので訳がわからなかった)

「なんでこの人達は、こんな今にも死にそうな歌を歌っていry(以下同文)」(??;
スイマセン。
当時、全くバンドの背景とかに興味がなかったので知らなかったんですね。

ところが、ある日突然。
「なんだ、この曲は自分たちのことを歌っているんじゃないか」
と気がついたんですね。

「水たまりに映る夕日は、オレンジで悲しげで、少し暖かい」
という一文が、メンバーのことを指して言っているんだと気がついたんですよ。

「あ?嘘??じゃあ、この歌はメンバーに向かって一緒に滅びようって誘っている歌なの?」と理解しました。
するともう、泣ける泣ける。
面白いように泣ける。

ヴォーカルが誘う。
「このまま行こう。一緒に滅びようよ」と。
すると楽器もそれに答える。
「いいよ、このまま行こう。行けるところまで一緒に行こう」と。

「壊れてもいいんだ。スピードを上げてよ。壊れてもいいんだ。僕らが全部覚えている。壊れてもいいんだ」←ここ号泣ポイント

生ではまだ聴いたことがありません。
きっと聴いたら泣いちゃうんだろうな。
未だにこの曲を演奏するときは、心がこもった、万感胸に迫る演奏をしますしね。やっぱり、本人達にとっても「特別な曲」なんでしょうね。

ソレを新録。

最初の録音のあの演奏は、まさにあの状況でしか生まれなかったものだろうと思えるのです。
あの日から十数年後の2009年。
果たして彼らはどんな解釈で演奏するんだろうか?と興味はありますとも、勿論。
でも、面白そうなでも、実際に聴くのは怖いような。

うーん。やっぱりバックトラックの重ね方の丁寧さは旧録の方が凄いなあ。
新録は「ほぼ、今のライヴ通り」という印象です。

でも、ギターソロとヴォーカルトラックは新録の方がいいですね。
割ととっちらかった「激情のソロ」が随分整理整頓されて、前衛的な印象はもう残っていません。

悲しみだけではない、妙に静謐な印象ですね。新録は全体的に。
それと、非常に優しい。暖かい。
この曲はピロウズにとっての「終わりの歌」だったはずなのに。
実は「始まりの歌」だったんですね。