山麓日記帳

全ては消えゆく、雨の中の涙のように

妄想と現実

一昨日のこと、夫婦して「お好み焼きをいかにして焼くか?」(ダンナは「デカく分厚く焼きたいタイプ」、ワシは「薄く小さくこまめに焼きたいタイプ」)でモメていたら、長女が怒ること怒ること。
「そんなツマンナイ事でケンカしないでよっ!」って。

「ケンカじゃないよぉ??」フルフル<首を左右に振る音
「こんな仲が良い夫婦を捕まえてケンカだなんて、人聞きの悪い!」
「じゃれて遊んでいるダケじゃんねえ?」
と、夫婦で抗議するワシら。
「そもそも、今日の昼間っからお父さんとお母さんがどれだけいちゃいちゃしていたかなんて、キミは知らないじゃないか」
「そうだそうだ。今日も今日とてバカップルは元気にバカップルだったぞ!」
「んなもん、見てねえから知らねえよ!」と長女がキレた。

そして昨日、成人式の様子をテレビで見ながら、
「ワシらの成人式の時(1981年)ってワシらカップルの大事な岐路だったのよね」
「そうなのよね」
と、夫婦で思い出話に浸っていたら、肝心の長女が全然話を聞いてない。

「おい!お前の大事なルーツの話をしているんだから、真面目に聞けよ、コラ」と、夫。
「そうだそうだ。あの時、お父さんとお母さんがつき合うのをやめていたら、キミは違うお父さんの元に生まれていたのだぞ」と、ワシ。

すると、長女が、「ルーツって何?」と聞く。
ので、「それはアフリカ系アメリカ人作家アレックス・ヘイリーが書いた長編小説で、だなー。まずアフリカに、クンタ・キンテという青年が居て、だなー」
ああ、話が長いったらありゃしない。

「だからアレだつまり。キミが生まれた所以みたいな事を、この場合、指しているわけだ」
長い解説ハァハァ。

「あの頃、お父さんは留年しかかってて、大学をやめようとしていたんだよ。そこでお母さんから、ワシとつき合う男が留年だなんてトンデモナイ。留年なんかしたらオマエとはもう二度と会わないって宣告されちゃったんだよーん。だから成人式の時は、お父さんもお母さんも部屋にこもって大学の課題をやり狂ってて、成人式に出席できてナイんだよーん」と種明かしをすると、長女、
「大学生だったら、この時期、試験とかで忙しくて外出できないのは普通なんじゃね?」と言われてしまう。

ま、そんな二人が2008年の今もこうやって仲良くしておるわけで。
ワシの妄想では2008年頃のワシはもう愛も夢も希望もない老婆になっている筈だったんだが。