山麓日記帳

全ては消えゆく、雨の中の涙のように

獣医で誉められたのはどっち?

先日、年に一度のワクチン接種の為、ボイスを連れて獣医へ出かけた時の事。
ボイスが例によって、自動ドア(内側からはスイッチを手押ししないと開かない仕掛け)を
ジーと見つめながら、
「さあ逃げよう。今、逃げよう。このドアが開いたら、速攻で逃げよう!!」
といつものように身構えていた。
隙を窺う様子があまりにおかしいので、「伏せ!」と命令を出して、ボイスを大人しくさせ、
ドクター夫人と世間話をしていたら、ボイス、その隙を狙って、
「伏せ」と命令を出しているのに、ワシに気取られないようにしながら、
「ジリリ、ニジリニジリ…」と四肢をかすかに動かしながら、匍匐前進でドアの前に移動していた。

ソレに気がついて、
「あ、コラ!?」と叱るとボイス、ピタリと動くのを止めて、
「いえいえ、全然動いてなんかいないッスからー。もう命令は絶対破りませんしぃー」と
上目遣いでワシを見る。
その様子を見ていた、獣医出入りの製薬会社の営業ウーマンが、
「この犬、物凄く大きくて強そうなのに、気が小さいんですね」と言う。
いやはや…
気が小さいのはココでダケなんですけどね(^^;

するとドクター夫人が、
「この犬はねー、ちゃんと言うこと聞くし、イイコよー」と誉めてくれる。
「普通はねえ、こんな犬を素人さんが飼うのは絶対に勧めないけどねー、私は」だって。
「だって、甲斐犬とか秋田犬とか四国犬なんてのは、素人さんが飼っても事件の元になるだけよ」
…事件って、新聞沙汰って事ですか?

「でもね、このボイスを見ていると、愛情を持って厳しく育てれば、日本犬の根性も
普通の犬並になって、安心して一緒に暮らせる家庭犬になるんだなあって教えられるわ」
ですと。あはは、誉められた?
「だってさー、普通の犬だって、この病院に中に入るなり、大騒ぎしてパニックになって、
飼い主も手がつけられなくて何もせずに帰っちゃうって人も多いのよー」だって。
「そんな、自分の飼い犬に言うことを聞かせられないって変じゃないですか?」と言うと、
「イマドキはねー、我が子も自分の飼い犬にも言うことを聞かせられないって人、多いのよ!」
ヒー。ドクター夫人…それって各方面から苦情が来そうな意見ですよ(^^;;

でもボイスが「世界中で一番パニックに陥って、言うことを聞かなくなる場所」ってココ(獣医)
なんだけどなあ。
誉められちゃったよ…