山麓日記帳

全ては消えゆく、雨の中の涙のように

クルちゃんの災難(熊本帰省日記)・1

*一日目
休みが取れたので、熊本に帰省。
ボイスとクルも連れて、車で帰る。
道は思いの外空いていて、スムーズに2時間弱で実家に着く。

実家についてすぐに、隣家の息子がハーレーで「どどどどど」と出かける姿を見かけた。
「隣の息子まだ子供なのに(20歳くらい?)ハーレーなんかに乗ってるー」
彼の母親はワシの小学生の時の先輩(たしか3学年上)

実家の近くに新しい温泉+ジム+プールが併設された施設が出来たので、全員で遊びに行く。
親子で一時間ほどプールで遊び、温泉へ入って900円。
昔はこの一帯、阿蘇のすそ野の大原野の面影を残す広大な荒れ地であったのに、こんな立派な施設&住宅地になってて感慨が深い。
中学生の頃は遠足で何度も通った辺りである。
(でも、今でも「並木道」というにはあまりにも巨大な樹木が沢山残っていて、景観は「原始の面影」が残っている)

実家母&父、古い知り合いに会い、話し込む。
そこで聞いた話。
「元看護婦(実家母も、もと看護婦)で仕立屋のご主人と暮らしていた方がいらした。ご主人が癌で先立たれ、元看護婦の奥様は生きる気力を無くし、ご主人の遺品のネクタイを10数本結んでつなぎ合わせ、梁に掛けて首吊り自殺された」

「フランス映画みたいな話し」(←まるっきり、ヒトゴトだから言える)ナドと、思わず言うワシ。
パトリス・ルコントに撮って貰いたい話だ。

家に帰ると、クルちゃんがいない。
「あれ?出かける前に外に出したっきり帰ってこないわね?」みんな不思議がる。
たいていクルは(実家の)近所まで遊びに行くが、「呼べば帰って来る距離」にしか遊びには行かないので、こんなに帰ってこないのは珍しい。
「餌も水も飲まずに何処に行ったのかしら?」
そして、その日クルはついに帰ってこなかった。
コレは「かなりな異常事態」であった。