山麓日記帳

全ては消えゆく、雨の中の涙のように

「セブン・イヤーズ・イン・チベット」を観る

せちたろー、昨日の微熱も何処へやら。元気いっぱい。
夕方は、「遊びに出ていったまま帰ってこない」し(--;
やっと帰って来たので、「何処に行ってたのですか、アナタは!?」と叱る。
「五時半に帰ってくるね」と言ってたのに、帰ってきたのは六時半。
どうやら、近所の子供達と山の中を歩いてきたらしい。
「冒険も良いけど、帰る時間は守ってくださいっ!!」
と、母は怒るとき、妙に言葉が丁寧で上品になるのだった。

ビデオで、「セブン・イヤーズ・イン・チベット」を観る。
中国のチベット侵攻も「ニュースとして歴史として」なら知っているが、こーいう映画を観るとそのいきさつがなんとなくワカッタ気になって、妙に泣ける。
大戦中日本軍は中国で、中国人民解放軍チベットで。同じ行為を繰り返す。

多分、現実のトコロ、この主人公ハインリッヒは「鼻持ちならないイヤな男」だろうし、ダライ・ラマだってホントのトコロはココまで聖人君子ではナイ筈(と、ワシは思う=ワシ自身が心が綺麗ではないので)だがだがだが。
監督ジャン・ジャック・アノーの骨太で雄大な物語に大いに引き込まれる。
とても魅力的でエキゾチック。
なんだか、目一杯乗せられて感動してしまう。
「どうせウソの話なら、とことん気持ちよくウソをついて貰おうじゃないの映画」の成功例。
(「ウソ話映画」なのに、「ホント話映画」の顔して、ワシの気分をコワしまくった例が「ライフ・イズ・ビューティフル」ホントにフルエが来る位に腹が立った)

チベットの風景も実に巧く再現されていた。
美人妻Jさんの夫は経済学者であるが、その「学者」という仕事とはウラハラ(?)にアジア僻地の冒険旅行が趣味のヒトである。

ワシは、20年近く前のチベット旅行(当時独身だったJさん夫の単身旅行記)のビデオを見せて貰ったコトがあるが、「まさに秘境」の風景であった。
(路上で「宗教的法悦」にイッチャッテル人もいるし)
美人妻Jさん一家は一昨年も一家でチベットを再訪した。
その時のビデオも見たが、前回の旅行に写っているチベットとは「まるで別物」であった。
「ラサも普通の町になっていた」のだった)

しかも、20年近く前のビデオの方には「秘密の映像」も多数撮られていて、本来なら撮影禁止のラサの寺院の内部の映像もあった(多分、コレは犯罪)
この映画と見比べてみると、多少の奥行きや上下のプロポーション以外は、「ほぼ同じ」であった。