山麓日記帳

全ては消えゆく、雨の中の涙のように

Netflix映画地獄変 ホラー映画の回

「ザ・ギフト」(2015年 アメリカ)

なんと言うか…この映画を見て怖がるべきは「謎の同級生だった男」なんでしょうけど、ワシ的には主人公の夫が一番恐ろしかったですね。
嘘だらけの人生、何が本当なのかわからない。
でも、世間的には優しい、社会的にも成功している理想の男性。
このギャップがw本当に恐ろしい。
嘘だらけなので何が本当なのかわからない。
「私が愛した人は誰だったの?本当の姿は何処にあるの??」と困惑するような、自分の存在が足元から崩れ去るようななんとも不安定な気持ちにさせられます。

でもさ。
結婚ってこういうことなんじゃないですかね…そんな気がしました。
「私が世界で一番彼のこと、わかっている」と思ってても、実は世間的な姿と大きく乖離してたり。
配偶者が嘘だらけの人生なので、もはや何が本当なのか全然わからない。何を信じれば良いのか、そもそも配偶者の本当の姿を知らないまま何十年も一緒に過ごしてきたとしたら?

自分の人生がドブに捨てられて、幸せだと自分に言い聞かせてた結婚生活そのものが、実はモラハラ男にいいように消費されてただけだったと気がついた時に、どうすればいいのか?
子供時代のいじめが一つのテーマになってますが、「夫婦のあり方」としてワシは興味深く見ました。

「グリーン・インフェルノ」(2013年 イーライ・ロス監督)
人肉食エンターテインメント!と公開時話題になった作品ですね。

この人の「ホステル」って映画を昔見たことがありまして。
その皮肉のきいた批評性というか、ひねりの効いたエンターテインメント性に感心した記憶があります。
(「ホステル」は「東欧のユースホステルに行くとフリーセックス天国らしいぜ!」という噂を信じたアメリカの「意識低い大学生」が、東欧のユースホステルで地獄を見るというお話)

今回もまたしてもw

今回は、「(アフリカやアラブ諸国、アマゾン等で習慣として行われている)女性器切除に反対」する運動に身を投じてみたいなと思ってるアメリカの「意識高い系大学生」が、熱帯雨林を守るための運動に身を投じた挙げ句、ジャングル開発業者のところに殴り込みをかけてまでアマゾンの少数民族を守ろうとしたら、その滅びかけている少数民族に生きたままむしゃむしゃと食べられたり燻製にされちゃう物語ですw

生きたままチタタプにされるーー(*ノェノ)キャー

とか大笑いしながら見てしまいました。
話はすごく悲惨なのに、映画の中で少数民族を演じている、地元のガチの少数民族のみなさんが、人食い部族をものすごく楽しそうに嬉々として演じているのが面白くて笑ってしまいます。

そして川べりにあるその少数民族の村の様子が。
すごくのんびりしてて天国みたいな場所なんですよ(やっていることは人肉食で地獄なんですがw)
そして開発業者や軍隊の無慈悲な様子との対比を見せることで「本当に残酷なのは誰?」「本当の地獄とは、この現代社会じゃないの?」と問いかけてきます。

思ったほど陰惨な内容でもなく、むしろゲラゲラ笑ってしまってなんだか爽快な映画でした。

少数民族の子供とか面立ちが日本人に似ててすごく可愛いの。
牛や豚、アヒルが村で飼われてて、ちゃんと肉は火を通して調理するし、燻製技術もあって文化もちゃんとあるっぽいのでなんだか見ているうちに段々彼からが好ましく見えてくるこの不思議さw