山麓日記帳

全ては消えゆく、雨の中の涙のように

ザ・ランナウェイズ

映画「ザ・ランナウェイズ」見ましたー。
今の人は知らないと思うけど、1970年代の半ば過ぎに彗星の如く現れて、日本中を熱狂させたガールズバンドです。
当時はハードロックを演奏するガールズバンドなんて皆無で。
「悪い大人にやらされている」とわかってても、同年代の子どもたちは夢中になったもんです。

さて。映画の方は。
まだ初潮が始まったばかりのカリフォルニアの女の子がデビッド・ボウイに憧れて(西海岸で、ハリウッドで生まれ育った女の子がボウイに憧れるという事にそもそもものすごい屈折を感じるんですけどねwまあ、「世間のハズレ者」って事がこの辺りで示唆されておりまする)
学校の発表会でボウイの当て振りをして踊ってたら、偶然にも運命が動き出して、過酷な練習と地獄の国内ツアーの末に世界的なロックスターになって_やがて落ちぶれてゆく、というそんな物語です。

ベースになったのはボーカルのシェリー・カリーが書いた自伝「ネオン・エンジェル」です。

ブロンドのブリジット・バルドーデビッド・ボウイを併せ持つザ・ランナウェイズのボーカル少女シェリー・カリーと、ギタリストの黒髪の元祖ゴスっ子ジョーン・ジェットを軸に話は進みます。

一応、ザ・ランナウェイズはリアルタイムで知っている世代なんで。
シェリーもジョーンもご本人そっくりに演じられてて(他のメンバーもね)
「ふわー、すごい。頑張って作ってるねー」と感心して見ちゃったんですけどね。

「んー、シェリー役の人見覚えがあるけど誰だっけ?」と思ってたらダコタ・ファニングちゃんでしたw(°O°)w

まあ、まだこんなに15かそこいらなのに、カリフォルニアの雰囲気になじめない。
家庭にも居場所はない(母親に捨てられたり父親がアル中だったり貧乏だったり)
世の中に対するルサンチマンを抱え込んだ少女たちがロックバンドを作って世界に殴り込みをかけるというのは。
青春映画としてよく出来てますねw

ワシがすごく驚いたのは、ジョーンとシェリーが同性愛だったって事:(;゙゚'ω゚'):…そ、そうだったんだ…
下着姿でステージで大暴れする少女たちをいやらしい目で見ている男たちは居ましたけどね、確かに当時も。
でもまさか、その男たちを喜ばせるような事になってたとは…

いやあ、事実は小説より奇なりですわ。



そういえば。思い出したんですけど。
1970年代の後半頃まで「ロックは男が聞くもの」「女にはわからない世界」みたいな事が本気で言われてたんですよねw

まあ、そんな中でガールズバンドを作って売り出すという事の困難さは…21世紀の今は想像もできないかもしれませんね。
なので映画中でもプロデューサーが彼女たちに「もっと怒れ」「反抗しろ!」「女性ホルモンを叩きつけろ!」と鼓舞しては実際にヘイターを集めて飛び交うゴミの中で演奏する練習までさせるんですねw
まるでスポ根モノですよ。

こちら本物のザ・ランナウェイズ
The Runaways - Cherry Bomb


コチラが映画で再現されたザ・ランナウェイズ
The Runaways - Cherry Bomb


一瞬の輝きを見せて世界を駆け抜けていった彼女たち。
想像していたよりも子供で純粋で「一緒に育った」て感じだったんですね。