山麓日記帳

全ては消えゆく、雨の中の涙のように

野生との攻防

年末に友人と会った時に聞いた話

彼女は毎年、自宅の庭にある小屋(バイクを駐車したりちょっとした作業ができるようになっている)の軒先で干し柿を作っているんですね。
小屋の入り口のシャッターの前に竹を物干し竿状に渡して、見事なすだれのように沢山の干し柿を作ってぶら下げております。

で、今年もそろそろ美味しく出来上がりそうだと、干している柿を一個一個、丁寧に手で優しくもみほぐして。
「さ。寝よ」
と雨戸を閉めて寝たそうです。

チャーラチャーラチャッチャッチャーーンドラクエにおける宿屋での目覚めの音

翌日の朝になって、彼女は気が付きました。
「なんか、干し柿がスッカスカになってないか?」
それでも自分の印象に自信が持てなくて。
干し柿の下がっている束を整えて、「気のせいかな?」と思い直し、「明日になったら干し柿を取り込もう。それで、周囲に配ってまわろう」とそのままにしておきましたとさ。

チャーラチャーラチャッチャッチャーーンドラクエにおける宿屋での目覚めの音

翌朝、もう干し柿は一個たりとも残っておりませんでした。
たった一本だけ、引きちぎられたような干し柿を下げておいたビニール紐の痕跡が残っているだけ(ーー;

友人はビックリしてしまって。
「きゃーー!!泥棒よ泥棒よー!警察警察」
と慌てて駐在所のおまわりさんを呼び出すと、おまわりさんが干し柿を干してた場所とその痕跡を見て一言こう言いました↓

「こりゃ、猿ですばい」

友人、いきり立ちながらワシに言います。
「私、この家に嫁に来て30年経つけど、一度も猿なんか見てないわ!!」
思わずワシ、言います。
「この道(と彼女の家の前を通っているバス通りを指さしながら)を猿が走って渡っている現場をワシ、二度ほど見たわよ?」

友人ビックリして、「でもこんなところに来る??」と言う。
彼女宅が住宅地の一番端っこで、すぐそばに小高い丘がありヤブに覆われているので、国定公園になっている山の原生林からヤブ伝いに降りてくることができそうなので、
「できるだろうね…美味しそうな干し柿が山ほど下がってればなおさら」と解説するワシ。

うちにも昔、猿がやって来たことが二度ほどあって役場の人は来るし、パトカーは来るし大騒ぎになったんだから(^_^;)