山麓日記帳

全ては消えゆく、雨の中の涙のように

妖婆 死棺の呪い

さー、映画をどんどこ見るよー(^O^)/お次はコレだー↓

妖婆 死棺の呪い

ロシアがまだソビエト連邦で、平等と芸術の庇護国家として世界の大国だった頃の名作ホラー映画でございます。
実はワシこの映画のことは友達から散々「トラウマ映画」として聞かされてて、すっかり見た気になってたのですが、実はおとなになるまで見たことがなかったのでございます。



ビデオの頃は「妖婆、死棺の呪い 魔女伝説ヴィー」とかいうタイトルでレンタルされてたんですが、その時も見たことがなくて(苦笑)
少し前にNHKのBSで放映されて。
その時に後半だけ見て、あまりの出来の良さにビックリしたんですね。

コレを見ているとロシアの実際の手触りがよく伝わるというか。
とても濃厚なボルシチ風味な映画でして(イミフ)
神学校の学生とは言っても実はゴロツキと大差なくて、酒浸りで略奪もレイプも平気の平左。
歪んで立っている掘っ立て小屋みたいな民家とか、どこまでも続く湿地帯。
木造の教会の内側にはイコンの数々。
馬や牛やあひると一緒に暮らし、大地に根ざした素朴な生活を送る人々__

の中に魔女が紛れているんですねw
この「手作り」な特撮シーンがなかなかよく出来てまして。
ファンタジー映画の名作であることに間違いはありません。

魔女が学生をさらって空をとぶシーンとか、たしかに子供が見たらトラウマ確実。
ゴヤが描く魔女みたいで、汚いのに風格があります。
そして逆襲して打ち据えた魔女が美少女に変身するシーンもお見事。

その美少女が空飛ぶ棺に乗って「ホーマアーーー!」と学生の名前を呼びながら空中をぐるぐる回るシーンもこれは子供が見たら傷になりますわな…
水木しげる的な屍鬼や吸血鬼の造形もその動きが見事すぎて(ロシアンバレエの伝統?)ひたすら感心してしまいます。

多分、あなたが。
もしも「ソビエト連邦」という国を知らないのだとしたら。
この「妖婆 死棺の呪い」と「惑星キン・ザ・ザ」と「ストーカー」を見たら、多分、どんな国だったのか?がわかってもらえる気がします。


「ホーマアーーーー!」