山麓日記帳

全ては消えゆく、雨の中の涙のように

停電の夜に

本日の日記は凄くビックリすることがあった一日だったので長くなります(脅し)

まずは朝。
日曜だけど、弐号機ちゃんが地域の文化行事の展示のお手伝いで文化会館に行くのでお弁当を作るワシ。
今日一日が楽しく過ごせますように。お友達と一緒に仲良く食べてくれますように。との願いを込めて作るですよ。
で、ソレを持たせて文化会館まで送って。
その後、バイトに行く初号機もバイト先のレストランへ送って午前中の用事は終了。

お昼〜夕方。
ワシは仕事なので、弐号機のお迎えは夫に頼んで「15時半には文化会館に行って展示を見てから一緒に帰ってきたらいいから」と言いつけて出勤。

強烈に忙しい午後で、忙殺されていたら古参のパートさんに「ぎゃー、大変な事になっている!」と言われてしまうほど。
仕事が終わってヨレヨレになっていたら別の古参パートさんがやってきて、「いっぱいメーワクをかけたねごめんね」とワシにプリン4個入りパックを買ってくださるw
その後、自分の買い物を終えて、
「さて、帰ろうかな」
と、思ったら、

なんとワシの斜め背後に全身ずぶ濡れで半べそかいた弐号機ちゃんが黙って立っててワシ、驚きのあまり腰を抜かしかける

「え?なんであなたがここにいるの??お父さんはどうしたのよ!?」
と言うと、弐号機ちゃんは目に涙を溜めたままで「詳しい話は車の中でするから」と言いながら震えている。

「コレはなにか異常事態が起きた!?」
という事はわかりました。
文化会館で凄絶ないじめにでもあったか?まさか、犯罪に巻き込まれたとか??
なんでとっくに家に帰っているはずの我が子が、今、ここで。雨にぬれて震えているのよ???
と混乱するワシ。

駐車場の車に入り、震える弐号機ちゃんにワシが巻いてたスカーフを巻いてあげて、かぶっていたもこもこのベレー帽もかぶせて車のヒーターを付けて、とりあえず弐号機ちゃんの言い分を聞くワシ。

「ワタシが悪いの。後片付けの作業が終わる前にお父さんがお迎えに来てくれたのに、友達がまだ遊ぶって言ってたから、ワタシも遊びたいって気持ちになっちゃって。お父さんに『DSを持ってきて』って言っちゃったの」

「そしたらお父さんが怒って帰っちゃって。その後電話して、『5時半に迎えに来て』って言ったら、『オレだってやらなきゃいけないことが色々あるんだから無理』って言われて、むかついたから電話切っちゃったの」
「そして、5時半まで友達と本屋に行ったりして遊んでて、お父さんが迎えに来ているかなと思って文化会館に戻ったら、もう文化会館は電気が消えてて駐車場も真っ暗で(涙がポロポロ)」

「しばらく待ってたけど、お父さん、来てくれなくて。電話も何度もかけたけど、電話にも出てくれなくて。お父さんを怒らせちゃったから電話に出てくれないんだと思って」
「雨がひどくなってきたけど、帰る方法がないからどうしよう?としばらく考えて」
「家に帰るのとお母さんの職場に行くのとどっちが近いかよくわからなくて。でも道が明るいお母さんの職場を目指して歩こうと思って」
「道順はあやふやだったけど、多分、コッチ!と思って。お母さんは多分、6時半頃までお買い物とかしているはずだから、急げば買い物をしているお母さんを捕まえられると思って、一生懸命に早足で歩いてきたの!」


なんというか…もうちゃんとこういう時に正しい判断が出来るようになってたんだなあとワシ感動(*´ω`*)
文化会館から我が家までが8キロ
文化会館からワシの職場までが6キロ

雨も降っていたし、既に暗かったので多分、彼女の判断が一番正解だったんですよね。
6キロの道のりを「お母さんに会えるように」と一生懸命に濡れながら半べそで歩いてきた弐号機ちゃんの姿が思い浮かべるだけで泣ける(´д⊂)途中、暗い怖い場所もあるのに…
とりあえず、
「君の判断は全く正しいよ。よくこんな状況で正しい選択をする事ができたね。もう立派に大人だよ」
と弐号機ちゃんを褒めるワシ。

家を目指して車を出したのですが、弐号機ちゃんはまだ泣いてて。
「でもお父さんにこの事(自分が濡れながら歩いてきたこと)をお母さんが言ったら、お父さんは絶対に、『だって弐号機が悪いんだろー!?勝手なことばっかり言ってワガママなんだよこいつは!』て言って、ワタシが一方的に悪いってことにされちゃう!勿論、自分のわがままでお父さんを怒らせたって事は自分でも十分わかっているけど、でもお父さんがわざとお迎えに来なかったことはヒドイよね?」
と言うので、
(なるほど、この子は自分の父親がどんな男なのか、その人格的な欠点もちゃんと全部わかっているじゃん)と思いつつ。

「大丈夫だよ、そんなコト言ったら即離婚だから!そもそも女の子を暗い中で雨に打たれるままで放置させておくなんてそんな事をしては絶対にいけないんだよ。お母さんがお父さんに謝らせるから大丈夫だよ」
と言いつつ家に向かっていたら。

「ん?なんか様子が変??」
なんですよ。
道が妙に暗い?見通しが悪い。
「雨のせいかなあ?」
と思っていたら、路上に凄まじい数のパトランプをつけた大型の工事車両が何台も止まってて。
「え?事故??」
と見ると、事故じゃない様子。「調査中」という看板を掲げているのですが、何の調査かよくわからない。

「ん?なんか電柱を見てたよね、今の工事の人たち…」
と首をひねりながら自宅のある山間の集落に入ったら、街灯がひとつもついていないことに気がついて。
「あれ?なんで街灯消えているの??」
と自宅まで登ってきて驚愕。

家は真っ暗で玄関の扉が全開で開いており、いつもなら大喜びでお出迎えに来るバトンも出てこない。
家の中はシーーーーンと静まり返ってて不気味なほど。

そして玄関と階段室にロウソクが点ってて…
「え?お父さんどこ??」とローソクを持つとバトンがやっと登場。
「あ。バトン、いたんだ…でもお父さんが居ないよ?」

ここでワシは理解したのです。
大規模な長時間に渡る停電が起きたんだ!だから弐号機ちゃんがかけた電話も自宅に繋がらなかったんだ!さっきの工事車両は九電の電気の復旧作業のチームだったんだ!
とね。
でも夫の姿がない??
ローソクをもったまま、二階に上がると、ローソクが家の中に点々とともされてて、なんか不気味な雰囲気。
二階のリビングで夫を発見。

「何してんのよ、ローソクつけるより弐号機ちゃんの心配しろよ!!」
と思わずなじると、夫は、
「何、言ってんだよ、弐号機が悪いんやろー。切れまくって勝手なことばっかり言ってて!」
と案の定の返し方をするので、
「弐号機ちゃんがどうやって帰ってくるのかとか、まだ帰ってきてないことをなんとも不審に思わないのあなたは?」
と言うと、
「まーそのうち友達の親御さんの車にでも乗せてもらって帰ってくるだろうと思って、今は家の中を明るくしてた」
と言う夫…(:D)| ̄|_
家の明るさとかどーでもいいから、弐号機の心配をしてやってよ(´д⊂)

夫は弐号機の電話を勘違いしてて5時に文化会館にお迎えに行ったけど弐号機が居なかったのでそのまま帰ってきちゃったらしい。
そして5時過ぎに停電して…それから2時間近く暗い家の中でローソクを灯していたらしい…

どう考えても変ですけどね、ワシからすれば彼の行動は…ローソクより弐号機が大事なんじゃないの?この場合。
全然心配してないってのがもう致命的…
とりあえず、ワシは弐号機ちゃんがやってきたこと。自分でもワガママを言ったことは彼女なりにちゃんと反省していること。
などなどを告げて、「はい、お互いに悪いんだから(夫は5時半を5時と間違えてた&弐号機の心配を放棄してた)お互いに謝って仲直りしてください」
と無理やりハグさせて終了。

「このまま電気が消えた家にいてもご飯も炊けないし(すでに炊飯器には白米と水が入ったままで途中で電気が切れちゃったので、もうどうしようもない)お風呂も沸かせない(給湯システムはガスだけど、スイッチは電気で入るので)し、冷蔵庫の開け閉めも出来ないので、一旦、家を出て退避します!
と夫と弐号機に宣言するワシ。

「え?何処に??」とオロオロする夫。
「多分、初号機のバイト先は電気が生きているはずです。どうせこの事(ご飯が作れない)を初号機に告げなければいけませんから、バイト先まで直接出向く必要があります。バイトが終わるまでバイト先でお茶でも飲みましょう。お風呂も今夜中に入れないようだったら、温泉施設のあるところまで行ってもいいし」
とお金を余分に持って、バトンに餌をやり、とっとと家から出て行くワシら。

そして初号機のバイト先へ行くと、初号機、ワシら3人の顔を見て「うわうわ、何??」と驚いている。
「実はかなり大規模な長時間に渡る停電が起きてて、家が使いもんにならなくなったので、来ちゃった(ゝω・)」
と告げると、初号機の同僚の女性が、
「この店も夕方から停電が3回ほどあって、不安定なんですよ」
とおっしゃる。うーん、この半島全域で起きていることなのかも>電気供給の謎の不安定さ

とりあえず、美味しいコーヒーと紅茶を頂いて和む一家w(初号機は仕事中)
初めてお店に入ったんですけど。清潔で上品なお店でステキでした(*´ω`*)
我が子が最初にバイトしたお店がこんなステキなお店で良かった(ワシが薦めたんだけどねっ)

その後、本屋に行って。
「そうだ、電気が復旧したかどうかは家の電話にかけてみればわかるじゃない?ちゃんとコールが聞こえたら、それは電気が復旧したって事じゃん」
と気がついて、電話をしてみたら、果たして!

トゥルルルル
てコールしているじゃないー(ノ´∀`*)よかったー電気、帰ってきたーw

その事を夫と弐号機に告げて、急いで家に帰り風呂を沸かしてご飯を作るワシら。
その後、初号機が「お迎えに来てー」と言う頃にはご飯もできて、無事、通常モードの夜を迎えることができましたとさ(通常より2時間遅れほどで)
家に帰って留守録している番組の履歴を見て停電の詳しい時間が判明。午後5時11分から午後7時40分までの電源消失だった模様。