山麓日記帳

全ては消えゆく、雨の中の涙のように

「NHKスペシャル 巨大津波」を見る

昨日見たNHKスペシャルが凄くてねえ。
思わず言葉を失いました。
<a href="http://www.nhk.or.jp/special/onair/110507.html">NHKスペシャル 巨大津波 ”いのち”をどう守るのか</a>

再放送もあるようです。未見の方は是非とも=再放送<font color="red">2011年5月12日 午前0時15分?午前1時28分</font>NHK総合

NHKの取材力の底力を見る思いというか…
非常に重い内容ですが、とても大切なことを伝えようとしている番組でした。
山の上に逃れた人が撮影してた津波の映像。
その片隅に小さく写っていた海岸沿いの家に住んでいた人が屋上で津波に揉まれ必死に生きようと戦う姿。
その本人(全く幸運な事に生還した)にインタビューし、その時何が起きていたのか?と逐一検証するんですね。
まさに凄絶な戦慄の記録です。

この巨大津波の前では人間なんて何も出来ない。
1平方メートルあたり14t(つまり1万4千キロ!!)の力(衝撃)が加わるなんて。
鉄筋ごとコンクリートも粉々。
ましてや人間なんてひとたまりもない。
地震から津波までの僅かな時間で「とりあえず逃げる」しか出来ることはないんですね。

そんな津波の前に否応なしに巻き込まれて、人生を変えられた人たちの生の声。
魂の言葉の数々に心を打たれます。
人工透析から帰ってきたお母さんと一緒に自宅で津波に巻き込まれ、屋上に逃げた工藤さん。
屋上の高さでも津波に飲み込まれ、頭の上まで水面が来て溺れかける様子が遠目のカメラからもしっかりと捉えられている。
車で逃げようとして車ごと津波に巻き込まれ、偶然にもガラスが割れたのでそこから這い出して「上へ上へ」とよじ登って助かった菊池さん。
流されながら自分の遺体の発見場所を「なるべく見つかりやすい場所に」と心配しながらたまたま橋に引っかかって助かった澤田さん。
自宅にいた両親、妹、家ごと流されてたった一人生き残った大学生の青年。
来ないと思っていた津波を見て驚いて体育館にいる人達に知らせに走る小学生のお母さん。
足の悪いお母さんを車に乗せてて渋滞に巻き込まれながら、迫ってきた津波から逃れるために封鎖されていた高速道路のゲートを破って侵入し助かったオジサン。
土手の下で渋滞に巻き込まれ、迫ってきた津波に気がついて、車を捨てて土手をよじ登って助かった土手内さん(!)

市井の人たちの九死に一生のさまざまなドラマが詰まっております。